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当て馬気質 83 ページ38

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「 結局、最後の少ししか花火見れんかったな 」


「 …ごめんって 」




教室で、2人。机も椅子もあるのにも関わらず、私達は壁を背にして床に座り込み 身を寄せ合いながら言葉を交わしていた。
当たり前のようにある隣の温もりに幸せを感じてしまうのは、仕方の無いことだろう。



ーーー結局、あの大きな赤い花火が 最後だったのか、それ以降花火が上がることはなく。生徒達はそのまま 後夜祭はまだまだ終わらないぞー!などと 校庭であれこれ やんややんやとやっている。
私達はその輪には混ざるなんてことは無く、こうして教室でぽつりぽつりと話をしているのだ。




「 センラんとこ、行ってたん? 」


「 うん、まぁ 」


「 二股やんそれ 」


「 なっ、違うわアホ!坂田のとこ行くから せっかく誘ってくれたのにごめんねって… 」


「 じゃあ、センラとは花火…見てないの? 」




坂田の問いに センラとの事を思い出す。確かにセンラといる時に花火は上がったけど、結局センラは空へと視線を向けずに屋上を出て行ってしまったから 花火は見ていないはずだ。…となると、





「 …見てない、ね。坂田としか見てないよ 」


「 ふふ、そっか 」




幸せそうに笑う坂田に、キュンと胸が小さく鳴る。幼馴染みとして長年隣にいるから慣れてきたものだと思ってはいたけれど、両想いだと実感するとまた何か感じるものが違うらしい。
どうにも、ドキドキという鼓動は鳴り止んではくれないようであるし。





「 というか、そんなことより 」


「 そんなことってなんやねん。僕がどれだけAと花火見るの楽しみにしてたと思ってんの 」


「 …そんな楽しみにしてくれてたんだ 」


「 ま、まぁ 」





照れたように目を逸らす坂田が珍しくて、ついじっと見つめていると 恥ずかしいから見るの禁止と坂田の片手が私の両目を覆う。



唐突に塞がれた視界に驚いて固まっていると、唇に触れた 坂田の温もり。視界が明るくなった頃には、その温もりは惜しそうに離れて 相変わらず照れて顔を赤く染めている坂田がいた。





「 …順番が違くないですか 」


「 Aに言われたくない 」


「 うっ 」





付き合う付き合わない、なんて会話をなされる前に交わされた二回目のそれは 前回の時とは違って 心に満ちているのは幸せだけで。

目の前の彼を見て、自然と笑顔が零れる。
いつの間にか涙も滲んでいたのか、坂田は心配そうに私の目尻にたまった涙を優しく掬ってくれた。

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零生(プロフ) - ルテメナさん» ありがとうございます〜!私も自分で作り出したオリジナルキャラでみやのんはトップレベルで好きなので嬉しいです! (2019年4月5日 22時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
ルテメナ - 少し遅れましたが、完結おめでとうございます。お疲れ様でした!もうちょっと早くこの作品を知りたかったですw なんというか、みやのん大好き。(え) (2019年4月5日 22時) (レス) id: 725488054e (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - キャンディットさん» キャンディットさん! いつもコメントありがとうございました!! 更新の力にさせてもらっておりました。私も大好きです! 本当にありがとうございます!! (2018年12月28日 20時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディット(プロフ) - すごく、すごく良かったです!!もう高評価1つじゃ足りない…。完結おめでとうございます!!零生さん好きです!!(?) (2018年12月28日 18時) (レス) id: 8583ad440a (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - もかさん» 長い間のお付き合いありがとうございました!私も書いていて、幸せになってよかった〜と思っております笑 他の作品も頑張りますので、良かったら覗いてやってください! (2018年12月27日 16時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零生 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年2月9日 7時

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