当 て 馬 基 質 II ( となりの坂田。)

当て馬基質 47 ページ2

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そもそも、彼の隣に戻れるだなんて考えてる時点で 冷静じゃないような、そんなような。
冷静になるってなんだっけ、そもそも冷静って何？恋をしてるとドキがムネムネしちゃうわけだし恋をやめないと冷静にはなれない？うん？待ってドキがムネムネってそもそもなに？



変なところで思考回路の迷路へと誘われ、ぐるぐると頭の中を回っていると おーいと近くで私をゴールへと導く声が、聞こえて。







｢ セ、ンラ… ｣


｢ 二人してなにぼーっとしてるん ｣





センラが来たことに気づいて みやのんもはっと顔を上げる。そして、センラを一瞥してから一言、なにAに手出してくれてんの、と。







｢ いや別に出してへんし ｣


｢ は？告白して手繋いでってしてるくせに何が出してないだ。Aは坂田のでそうじゃなければ私のになるんです ｣


｢ え、そうなの？ ｣


｢ 嘘並べんなアホ、Aちゃんもきょとんとしとるやんけ ｣


｢ Aは忘れてるだけ！ ｣





みやのんにそうだよね！と言われると、なんとなくそんなような気もして うん、そうかも。と返すと、ふふんとドヤ顔をするみやのんと 少しだけ悔しそうな顔をするセンラ。

それからまた 言い合いを始めた二人を見て、なんとなく。あぁ…羨ましいな、って。




傍から見たらきっと、私と坂田もこんな感じだったのだろう。別に付き合ってはいないけれど、彼と言えば彼女、彼女と言えば彼、みたいな感じでペアで思い浮かべられるような人。

センラとみやのんも、だいぶ仲良くてクラスからそんな感じで見られているけれど、きっと私達もそうだったはずだ。今はどうか、分からないけれど。




あの距離感に物足りなさを感じていなければ、こんな後悔する事もなかっただろうに。いやでも、あのままモヤモヤするのもダメだったかも。








｢ あぁぁぁっ、もう！！！ ｣





だん、と机を叩いて叫ぶと 目の前の言い合いが止まる。びっくりした顔で私を見るみやのんとセンラに 私を息を吸って、一言。









｢ イチャイチャすんなら 他所でやって！
私今一応傷心中だから、人のイチャイチャなんて見てられへんわ！ ｣


｢ ちょっとA、変な事言わないでよ！誰がセンラと!! ｣


｢ こっちの台詞やわ、アホ！っちゅーか俺はAちゃんが… ｣


｢ Aが何よセンラ、これ以上言ったら殴る ｣


｢ さすがに言わへんわっ ｣


｢ 私の話聞いてたかな!?イチャイチャすんな!! ｣

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