Probably not (ページ9)

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「……どこ」

辺りを見回しながら走る。

すると、友達の言ったように自販機の近くに

彼がいるのが見えた。

近づいて、声を掛けようと口を開く。

『お前ねぇ、タイミング変だから(笑)』

「ごめんごめん(笑)」

ぴたっ、と足が止まる。

目の前の光景に頭が真っ白になった。

檜山くんの視線の先にいるのは

クラスメイトの女の子。

明らかに友達より近い距離感と

何より私が見たことないような優しい彼の表情に

全てが分かってしまった。

「でも、ほんとに抜けて良かったの？」

『みんな分かってたから(笑)』

ほら、と大きな手を彼女に差し出す檜山くん。

足が竦んで動けないせいで

目を伏せるのがやっとだった。

2人がどこかに行ってしまって

やっと足が言うことを聞き始める。

友達にごめん、帰るとだけ連絡して

気を抜かないように息を止めながら駅へ向かった。

少しでも緩めたら、泣いてしまいそうで。

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