Probably not (ページ20)

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「あれ？どうしたの、今日どっか行くの？」

「え？？……あぁ、この後結星に会うの」

「長瀬くん？！」

HRの後に髪を整えていると、友達が目を丸くして私を見た。

そしてこっちに寄ってきては食い気味になんでなんで！！と

鼻がくっつきそうなくらい近づいてくる。

目が輝いてるあたり、絶対面白がってるな。

「お見舞い行ったから、お礼するって」

「ふーん…それでわざわざ、ねぇ」

「いや、だって…びっくりさせたいし」

ただ、括ってた髪を下ろすだけ。

何もしてない唇にピンクのリップを塗るだけ。

それだけの事だけど

制服で彼と会う時にはしてないことをしてみたら

どんな反応するのかなって。

もしかしたら、可愛いって言ってくれるんじゃないかって

気づいたらそんなことを期待していた。

「可愛いねA」

「え？」

「長瀬くんに会うためにいろいろしてるのめーっちゃ可愛い」

「っ…ちょっと言い方」

「好きなんでしょ」

「え？！」

「好きじゃなきゃそこまでしなくない？」

わかりやすいなぁなんて呆れた声で言うと

ほっぺを人差し指でつつかれる。

そんな顔……してるのかな。

「長瀬くんと上手くいくといいね」

「そ、そんなんじゃない、よ」

「えー？Aは違くても長瀬くんはそうかもよ？」

「っ……………もう」

ニヤニヤした顔で友達が見るから

なんだか見透かされてるような気がして

視線を外して逃げた。

行ってらっしゃいと私に手を振る友達は

やっぱり私よりも上手だ。

『A〜！！』

放課後、少しでも早く着きたくて

最寄り駅まで走った。

改札を通ると直ぐに聞こえてきた声。

顔を上げるとこっちにブンブン手を振る彼がいた。

「ごめん、！！急いで来たんだけど…遅かったね」

『いや全然！俺めちゃくちゃ早く着いちゃったから(笑)』

「そっか、ならいいんだけど」

『早く会いたいなって思って急いだけど

A居なきゃ意味無いよね』

「っ…こ、んどは私も急ぐ」

『それ待ち合わせ時間の意味なくなんない？(笑)』

早く会いたいって言葉に

くすぐったくなってしまった。

私もだよなんてセリフは言えなくて

グズグズしていた私より先に

結星が行こ、と歩き始める。

慌てて駆け寄って隣に並んだ。

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