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「え………誰？」
「合コンにいたうちの1人だよ！！」
「……ごめん全然覚えてない」
「んー、まぁいいや、その人がね、Aに話あるって」
「え、……怖い」
「ちょっとだけだからって。
放課後うちの校門に来てくれるらしいし
それなら私も一緒に行くから」
「う、うん………」
なんでも長瀬と同じ学校の人らしいけど
全然覚えてないせいで不安だけ募る。
あ、でも…長瀬の家の住所とか知ってるかも。
いつもしてもらってばっかりだし
ちょっとだけでも私だって力になりたい。
もし知ってたら、教えて貰ってお見舞いに行ってみよう
「あ、いるいる、あの人だよ」
「……………あんな人いたっけ」
「A酷すぎない？」
「ごめん…(笑)」
放課後、校門に行くと
背が高めの人が立っていた。
なんていうか、全体的に透明感のある感じ。
友達が星輝くんー！と声を掛けると
その雰囲気を柔らかく変えて
ひらひらとこっちに手を振ってきた。
「久しぶり。あ、A連れてきたよ」
『ありがと。
Aちゃんもこの前あんま話せなかったのに
いきなり呼び出しちゃってごめんね』
「う、ううん！全然」
『で、話なんだけど…これを長瀬に渡して欲しくて』
「長瀬？？」
『うん。あいつ風邪引いて休んだんだけど
これ今日中に返して欲しいって先生に頼まれたんだよね』
話ってなんだろうと構えていると
手渡されたのは大きめの封筒。
俺が渡してもいいんだけど…と言いながら
星輝くんの表情は少しニヤついていて。
『多分Aちゃんが渡したら、秒で元気出るから』
「なるほどね〜。行ってあげなよA」
「わ、…かった」
『良かった〜！あ、長瀬の家の住所教えるね』
合コンで既に仲良くなっていたのか
友達と星輝くんは楽しそうに顔を見合わせて笑う。
しかも、一緒に帰ってっちゃったし。
私も私で、教えてもらった住所を検索して
長瀬の家に向かった。
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作者名：むう
| 作成日時：2022年2月1日 22時
