雲雀恭弥【10年前の君へ２】 ページ3
「君に伝えたいことがある」
真剣な顔をして10年後の雲雀は話し始めた
「僕は、ある女の子と付き合っていてね。その子は素直じゃなくて好意も伝えてくれないような子なんだけど」
頭を強く打たれたような感覚。
雲雀の声が遠くに聞こえる
そうか。そうだよな。
こんなにかっこいい男に恋人がいないはずがない。
「その彼女は僕以上に大切な主がいて、僕よりその草食動物のことを優先させてしまう。まぁ、それが彼女だってこの10年で学んだわけだけど納得したわけじゃないんだよね」
「・・・ふーん」
「彼女は主を優先させる癖に自分が構ってもらわないと拗ねてしまうじゃじゃ馬姫なんだ。困ったものでしょ？」
彼女とやらのことを話す雲雀はあまり変わらない表情ながらも幸せそうで。
胸が苦しい
「だからね、10年前から僕の気持ちをわからせとこうと思ってね。10年バズーカを受けて10年後に来たら伝えようと思ったんだ」
雲雀は一呼吸置いて俺をまっすぐ見ながらはっきりと言った
「僕はずっと君のことが好きだよ」
煙が上がり始める
「あぁ、もう時間のようだ」
「・・・まっ待って！！」
「あとはこの時代の僕と楽しむといい。君も、そしてこの時代の僕も子供だからね。素直になれないこともある。だけどずっと僕の気持ちは変わらない。」
「また会おう。僕の大切なA」
煙が消えた。
そして10年後の雲雀も消えた。
____緑たなびく並盛の大なく小なく並がいい___
聞き覚えのあるダサい校歌。
それとともに現れたの俺のよく知っているアイツだった
「・・・・・・銀髪の美女に素直になれと説教されたんだ」
「・・・そうか。俺は黒髪の色男に好きだと伝えられた」
俺のよく知る雲雀は顔を背けながら
「・・・10年後の僕の話は聞かなかったことにして。今から僕が伝えることをよく聞いて」
雲雀は3文字の愛しい愛の言葉を囁いた
短いところも彼らしいとさえ思ってしまう。
「ねぇ。返事は・・・？」
そんなの決まってる
俺も雲雀と同じ愛の言葉を囁いた
〜END〜
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作者名：あてん | 作成日時：2018年6月3日 19時
