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「久しぶりだね、A、先生。…あと、はじめまして。降谷零さん」



渚は狐の面を外し、笑みを浮かべこちらに近づいてきた。

ああ、あの足取りは…

僕は構えていた銃のセーフティを解除し、渚の足めがけ撃つ。

そんな僕の行動に驚いたのか、皆の視線は渚から僕へと注がれた。



「渚から目を離すな!!」



僕の叫び声が廃墟に響く。



「…渚、いや。死神」


「僕は、お前を逮捕する」



死神はクツクツと笑いながら言った。



「Aにそれができるの?」



僕を小馬鹿にしたような死神の瞳は、僕を奮い立たせた。

死神は、どれだけ殺せんせーに"成りきっているいるんだ?"



「…Aはあの頃よりかなり成長しているね。僕の十八番、猫騙しを見破った」



ヘラーと笑い手を見せる。



「…僕は、あの頃。渚に勝つことはできないと思った。渚はあのクラスで誰よりも殺しの素質があった」



観察眼、僕はその目が怖かった。

探ろうとする渚の目は、いつ見ても

獲物を捕らえようとする蛇の目。

訓練をしていくに連れ、渚は恐ろしい程の実力を身につけた。

そんな中、僕は渚に勝てるはずないと、確信した。

だから



「勝てないと思ったから、僕は渚の、死神の癖を観察した」



猫騙しをする時の渚の足取り、ナイフを取り出す動作、攻撃を受け流す動作…

そして

辛い、悲しい時に

自分の肘を抑える動作。



「ねぇ、渚」


「…なあに?」


「……どうして、殺し屋になったの?」



渚は笑みから真顔になり、目を鋭くした。



「…Aなら、わかるんじゃないの?」



…確かに、そうなのかもしれないと思うことはある。

だが



「けど、確信が、まだ持てていないんだ」


「…ふーん、じゃあ教えてあげる。…僕の憧れがこの世界からいなくなってからは、僕は真面目に勉強して、大学に行って、教員免許を取って就職した。しばらく、僕は一般人として過ごしていた時、たまたま、鴉の死骸を見つけたんだ」
「何故か、僕は死骸をずっと見つめてた。その時一番に頭に浮かんだのは、どうやって死んだのか、だ」
「死んだ時の工程を考えるのは楽しかった。それは他の動物も同じ。猫が道路で倒れていた時、蛙が干からびて死んでいた時、人が、死んだというニュースを見た時」



渚はどこからかナイフを取り出し、己の腕を切り血を垂れ流す



「たまらなく楽しくて、美しいと思ったんだ」



そう言って、自分の血を舐めた。

。→←。



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yu-kun(プロフ) - 煙草さん» ありがとうございます笑なんかこうなってました笑コメントありがとうございました! (2019年8月1日 19時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
煙草 - うわぁ………エ○い。最高ですね! (2019年8月1日 19時) (レス) id: dadd38f07a (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - 死音心音2.0さん» 神だなんてそんな笑宜しければお好きな時にリクエスト等をどうぞ(´∀`*)コメントありがとうございます。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - 本編だけでも美味しいのに、番外編で二度美味しい…だと!?( ゚д゚ )成る程、貴方様が神であったか (2019年7月21日 23時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - 鬼雅吉さん» ありがとうございます!ヤンデレにするつもりなかったんですけど作者の出来心で気が付いたらなってました(´・ω・`)コメントありがとうございました! (2018年8月6日 13時) (レス) id: 9925cbfb05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年7月31日 17時

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