長女と7人の愉快な弟たち

見守るハムスター ページ32

ーーーside JINーーー



あの後、収録は滞りなく進んで控室に入るや否やダンッと壁を殴るユンギヤ



『ユンギヤ、落ち着いて』


「っ…ヌナ、すみません、俺のせいで…」


『ユンギヤのせいじゃない、あの人の頭がおかしいだけ』


大丈夫と落ち着かせるようにユンギヤの手をさするA



『そういう人なんだよ
ほかのグループの子達にもしてるみたい
ま、そのうち居なくなるよ』


淡々と、そしてサラッと怖いこと言うA
断言するってことは何かしたのかな？


「…怒ってたんじゃないんですか？」


『怒ってるよ！アイツ！ユンギヤの曲ダシにして！』


…そっち？


「A…怒る方向間違ってるよ…」


ほら、みんなキョトンとしちゃってるから


『いやそうでしょ！わざわざ曲のこと話さなくてもできるセクハラじゃない？！』


あ、やっぱりあの意味わかってたのか


「Aヌナ、ちゃんと意味わかってたんですね…」


ポロっとジョングギがそう呟く


『えっヌナ、ジョングギより6個上なんですけど…』


大人なんですけどと拗ねたように口を尖らせながらソファに沈むA
大人はそんな顔するかな？



「おー、Aヌナは大人だよーよしよし」


『ねぇ、絶対思ってないじゃん』


赤ちゃんじゃないんですけど、と頭を撫でているホビの手を払いながらまだムスっとしている
確かに年上なんだけど、どうしても隠しきれない可愛さのせいで幼さが拭えないAは自覚がない



『あーあ、髪伸ばしてからこういうの増えたからまた短くしようかなぁ』


…こういうとこね


「Aが短くするなら、いっそ俺たちは伸ばしちゃう？」


そろそろ空気を変えようとAに乗るふりをして冗談にしてみる
弟たちはそうじゃないと言う目で見てくるが当のヌナはノリノリだ


『防弾チャラ男団になっちゃうね！いいね！』


みんなきっと似合うよ！なんてさっきの不機嫌が嘘のようにケタケタと笑っている
つられて俺達の頬も緩む


「Aヌナァ！ボクヌナの髪の毛好きだから切っちゃやです！」


「おれはヌナが似合うって言ってくれるなら伸ばします！」


「僕も！」


Aが笑えばマンネたちは安心したようにはしゃぎだす


「ショートも似合ってたし、なんならみんなおそろいもアリじゃない？」


「俺は絶対伸ばさないぞ」


「俺もヌナは長いほうが好きです」


上の弟たちも好き勝手言い始めている



そう、お前は俺達の女神なんだからいつも笑ってて

弟たちが知らないヌナ１→←過保護なコアラ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す