すきだ３ (ページ34)

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秀太 side

今日はAとのデートだ。

いつもなら5分前行動だけど楽しみにしすぎて30分もはやく着いてしまった。

柄にもないな、とは思いつつ楽しみなのは間違いではない

まだかなぁと思っていると

｢わっ！！｣

『うおっ』

驚かせてくるから変な声が出た

貴方｢おはよう。相変わらず来るの早いね｣

『はよ。まあな』

そんなのお前とデートだからだよ

なんて言えるわけでもなく

『手繋いでおかないとどこか迷子なりそ』

手を繋ぎたくて口から出る言葉も不器用なものばかりで

だけど

貴方｢ならないよ。小さい子じゃあるまいし笑｣

なんて無邪気な笑顔を俺に向けるから不覚にもドキッとした

昼ごはんは徹と雄大を含めた4人でよく食べに来ていたラーメン屋に連れてきた

俺らはよく、とんこつを頼んでいた。だから何も思わず勝手にとんこつを頼んだ。

するとAが嬉しそうな顔をするから

『どしたん』

貴方｢秀太って何でも私のこと知ってるね｣

『まーな。好きだし』

自分で言っておきながら照れる。

言わなきゃよかったかな

だけどそれ以上に真っ赤になっているAを見てその後悔は一瞬にして消えた

店長｢とんこつおまち。｣

『あざす』

貴方｢ありがとうございます｣

少しだけでも思い出してくれるかな

ｽﾞﾙｽﾞﾙ

貴方｢わ、めっちゃ美味しい。なんか優しくて懐かしい味がする気がする｣

『…！』

懐かしい、って。

たまたま良いフレーズで使ったのかはよく分からないけれど、俺にとっては充分過ぎる言葉だった

けれど、できるだけ平然と

『だろ。ここ昔よく来てたんだ。』

お前と雄大、徹とな。

『…よかった』

小さな声でぼそっと呟いた。

.

ご飯を食べ終わり、映画を見ることにした

この映画館もよく4人で来たっけな

大体ホラー系を徹と俺で、Aと雄大を無理やり見させてたっけ

あの頃は楽しかった

本当はホラーを見たいところだったが今回は恋愛映画にした。

『なんか、ここ来たことある気がする』

さっきから、Aの記憶の片隅に俺らの記憶があるんじゃないのかと期待してしまう