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貴方 side
昔の事を思い出していると真ちゃんは私の手を握った
びっくりしたけど、この手を振りほどいてはいけない気がして 少し強めに握り返した
無言で5分ほど歩くと
真「座ろっか。」
流木に二人で腰掛けた。
すると真ちゃんはポツリポツリと話し出した。
真「俺らの始まりはここやったな。ここでの思い出がたくさんあるから、1人でよく来たりしてたんよ。」
少し嫌な予感がしつつも
『私もたまに来ていたよ。仕事が上手く行かなかった時とかに』
真「そうなんか。一緒やな…」
少し真ちゃんが涙ぐんだように言うから
『どうしたの?』
と顔をのぞき込むと泣いていた
真「…今までたくさん傷つけてごめんな。
.
.
____________別れて欲しい。」
なんとなく、そんな気がしていた。
だけど信じたくなくて気付かないふりをしていた
『どうして?
…私の事嫌いになったの?』
涙が止まらないけれど、そんなの気にせずに
『私はっ…!真ちゃんが大好きだよ…。
あんな事があっても、どうしても真ちゃんじゃないと嫌なの、ダメなの…』
真「ごめん。ごめんなA…」
なら、どうして貴方は私よりも辛そうな顔で泣くの
私の涙を優しく手で拭うの。
だけどその手を振り払えないのも事実で
真ちゃんは私を包み込むように腕を背中に回して
真「これで…。これで最後やから…」
聞いたこともない程のか細い声で言う真ちゃんはとても小さく見えた。
.
.
二人で1時間くらい何も言わずに泣いていて落ち着いた頃に
『気づいてあげられなくてごめんね。幸せになってね。』
私の精一杯の強がり
真「Aは世界で一番幸せになるねんで。」
『うん。なってみせるね。』
そして私たちは別れた。
車で二人の家に帰ったけれど、真ちゃんはそのまま車でどこかへ行ってしまった。
この家にはまだ二人の思い出がたくさん残っているのに
私たちの関係は終わったんだ…
そのまま床にペタンと座り込み止まることを知らない涙は流れていくばかりだった。
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梨沙(プロフ) - こんにちはイチゴですこの小説大好きです (2018年10月18日 15時) (レス) id: f342db047a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コーヒーオレオ | 作成日時:2018年2月12日 1時