16人のマネージャー

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鼻の頭がツンと痛くなる

A「今日見送ってきました。友達になった彼を」

岩谷「そっか。A頑張ったんだね」

A「？」

岩谷「だってちゃんとまだ好きなんでしょ？その彼のこと。でも大人になって身を引いたんだね。えらい」

A「…えらくなんてないんです……好き、好きなんです。まだ彼のことが」

ひとつこぼれた涙を追うように溢れてくる

A「すみませんっ、泣くはずじゃなかったのに」

岩谷「ううん。いいよ、いっぱい泣きな」

隣に座ってた岩谷さんが肩を組んで寄せて抱きしめてくれた

陸「落ち着いた？」

泣き止むまで待って優しい笑顔で尋ねる陸さん

岩谷「深呼吸してー」

背中をゆっくりさすってくれる岩谷さん

A「ありがとうございます。スッキリ、しました」

岩谷「よかった」

頭を撫でて離れてく。温もりが離れることにちょっと寂しさを覚えた

陸「じゃ、飲み直すか！」

A「はいっ」

陸「乾杯！」

岩谷・A「乾杯ー！」

それから翔の好きだったとこ、惚気散々した
情緒不安定な私の話をうんうんって聞いてくれる2人

何時間飲んだんだろう。
お酒はどんどん進み今までにないくらい酔ってるかもしれない。

岩谷side

…やっぱ彼氏かぁ

しかも未練タラタラ

A「翔は本当にいい奴なんですよー」

A「シンガポールには私より何十倍も何百倍も可愛い女子がいるんだろーなぁ」

A「今まで浮気なかったけど、これからはわかんないですねーあ、もう関係ないのか…」

その翔って奴

Aにこんなに愛されて
それなのにAを置いていくそいつがすごくすごく羨ましくて妬ましかった

陸「A、そろそろ帰らないと明日遅れちゃうから、お開きにしよう？」

A「わかりました…お話聞いて頂いてありがとうございました」

酔っても消えない敬語
こういう礼儀正しいとこに惹かれてるんだと思う

立ち上がろうとするA

A「キャッ」

足に力が入らず倒れそうになったとこをギリギリ支えた

岩谷「あ、ごめん、抱きしめるみたいになっちゃって」

A「こちらこそ、すみません…」

岩谷(Aは着痩せするタイプ)

密かに心にメモした

A「岩谷さん、ひとつ、わがまま聞いてもらえませんか？」

岩谷「何？」

A「今日帰りたくないです」

！！！？？？

岩谷「え、えっとそれは？」

陸さんこっち見てにやけてる

A「泊まりに行ってもいいですか？」

…お酒って怖い

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