【WT】薄氷を踏む【男主】 (ページ14)

今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:17,305 hit

▷14 ページ14

「攻撃手配置完了。弾で獲物を追い込んでくれ」

「OK、しっかり仕留めろよ槍バカ。A、やるぞ」

「おっけーい」

東さんや柿崎さんたちの狙撃に混じる変な弾道。くるくる回ってどこに行くかわからないようにする弾道を引くのは楽しいし、結構面白い。

今どこにいるんだろうと好奇心で窓から身を乗り出して探してみる。ちょうどそこに曲がってきた人型と目が合った。

……あ。

「浮いた兵から狩っていくか」

「やっべ!!」

そのまま窓から飛び降りてグラスホッパーを使って器用に詰められた距離をまた離す。服を掠るだけの大雑把な攻撃だけがせめてもの救い。

わざと建物に攻撃が当たるようにして土煙を舞わす。そうして進んだ先は来馬さんが待機している場所。

「来馬さん、ごめんなさーい!!連れてきちゃった!」

あれ。でもこの上だったら米屋がいるか。ならいいかな。どうだろ。やっぱり大丈夫だ。

「え?!」

驚く来馬さんにまじでごめんなさいと心の中で頭を下げる。悪気はないんです。たまたま遭遇しちゃっただけだし。

『米屋頼んだ!』

『りょーかいっと』

後ろからの攻撃が止まって、頭上から空気抵抗として微かな音。米屋が落ちてきたからもういいかなとまたグラスホッパーで移動する。

「なるほど。こうして敵を呼び込むわけだな。よく理解できたよ」

くるんと人型が米屋の方に向きを変える。そのまま米屋に向かって放たれる光。

「……と思うじゃん?」

10人分の両防御(フルガード)はそう簡単に割れやしない。しばらくの攻防の末、押し負けたのは人型だった。

「こっちは『部隊』なんで、悪いな」