【WT】薄氷を踏む【男主】 (ページ2)

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「おれも連れてってくれたらよかったのに!」

「Aは熱出してたろ」

「トリオン体でいたら平気だもーん」

長い遠征から帰って換装を解いたら高めの熱が出てた。それでうんうんしてたら公平たちがおもしろいことをしていた。おれも連れてってくれたらよかったのに。

公平がまあ結局負けたけどなと軽く笑う。そういうことじゃなくて。……まあ、いいか。

「おれ、ちょっと遊んでくる!」

やっていたゲームをセーブして立ち上がる。何か言いたげな公平は気にしないことにした。

だって元気だし、熱なんかもう下がったし。久しぶりに誰かと遊びたい気分。

「無茶すんなよ」

「はあい」

公平の言葉に返事をして隊室を後にする。そして向かったのはランク戦ブース。

でもランク戦ブースにはいつも遊んでくれる相手がいなかった。なんだ、米屋あたりならいると思ったのになあ。つまんねーの。

どうしよっかなと辺りをうろちょろ。すると近くを歩いていたC級隊員たちの会話に気になる内容が聞こえてきた。

「なあ今から風間さんと引き分けたメガネが緑川と戦ってるらしぞ」

「まじ?観に行こうぜ」

緑川とメガネ?メガネって誰?しかも風間さんと引き分けたの?まじで?それなら結構強そうだし面白そうだからおれも観に行こ。C級隊員の後をついていくとそこには少しだけ探していたやつがいた。

「あー!!」

「うお?!」

カピバラに乗った陽太郎と探していた米屋、渦中の緑川とたぶんメガネくん、それから初めて見た白髪のやつ。こっそり近づいて思い切り米屋のふくらはぎ辺りを蹴った。

「揃って何してんの?」

「お前、俺の足蹴った意味は?」

「ない」

ブースにいなかった八つ当たりだけどそれはさすがに言わないでおこう。