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お昼寝 1 ページ2

珍しく休みが被った私たちは、居間で各々の時間を過ごしていた。

どうしても明日までにまとめたいデータがあったため、休み返上でパソコンを叩く。

私がスポーツアナリストとして支える、神戸に拠点を置くそのチームは、V1リーグに所属しているチームのひとつ。

長年、目立った功績を残していなかったチームだったが、かつてブラジルで選手として活躍していた現監督に変わってから、見る見る間に成長を遂げていった。

そんな波に乗る選手達に遅れを取らぬよう、日々情報収集に明け暮れているのだ。

『ん〜目が霞む…。』

これも今朝からパソコンに釘付けだったために違いない。少し休息を取ろうと画面を伏せた。

目の前にコトッ、とコーヒーカップが置かれる。

信介「やっと一休みか。」

私の隣に胡座をかく。

『あとちょっとなんやけどね。目が限界。』

信介「そらそうやろ、4時間以上見続けとったで。」

『そんなに!?』

確かに随分と時間が過ぎたような気はしていたが、そこまでとは。

ふと時計を見れば針は正午を指していた。

『もうお昼の時間やん!ごめんちょっと待っててな!すぐご飯作る!』

立ち上がろうとすれば、腕を掴まれてそれを阻止される。

信介「俺が作るからゆっくりしとき。」

『でも…』

信介「そない疲れた顔して、今から献立考える気力あるんか?」

無言の圧力をかけ私にそう告げてくる彼に反論できるはずもなく。

『…お願いします。』

信介「おん、任しとき。」

うまく丸め込まれた私はテレビの前のソファに移動してゆっくりともたれた。

柔らかく包まれている感覚に、思わず欠伸が出る。

気づいた時には瞼は閉じていて、視界が真っ暗な状態が続いた。

**********

………貴方……おい……寝とんのか


信介「貴方」

『んっ…わ!』

パチリと目を覚ますと、夫の綺麗な顔がすぐそこにあって思わず驚いた。

信介「寝るならちゃんと布団で寝やんと。ダメとは言わんから。」

疲れている私を労ってくれているのだろう。いつもよりやんわりとした物言いで私に諭す。

『信介くん、ご飯作ってくれたんやろ?』

信介「ただのチャーハンやけどな。」

『ありがとう、それいただいてから、ちょっとお昼寝するわあ。』

2人でテーブルを囲んで、うちで収穫した米で作られた美味しそうなチャーハンをはふはふと頬張った。

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作者名:あい | 作成日時:2020年6月5日 22時

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