危険な甘い香り(Syoya.Ruki) (ページ17)

今日:19 hit、昨日:25 hit、合計:59,244 hit

17声色ページ17

.

朝、リビングに行くと
るっくんはもう家を出たあとだった

朝ごはんの準備をしようと冷蔵庫をあけると

「…これ」

私が昨日買ったシュークリームと同じものが入ってて……

るっくんが……買ってきてくれたんだ………

嬉しいのに…
昨日の事がフラッシュバックする

可愛い女の人と一緒にいたるっくん

翔也くんの冷たい視線

バタンと音を立てて冷蔵庫を閉める

「……」

大好きなのに
それを口につけることが出来なかった…………＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「…いってきます」

ひとりごとみたいに呟いて、鍵を閉める

振り返ると

視線の先には………

翔「おはよ」

「……どうして」

翔「今日はヒトリなんだ？」

翔也くんは
私が出てくるのを待ってたんだ……

思わず、バッグを握る手に力が入る

翔「そんな怖い顔しないでよ」

「……何か……用？」

翔「そんな言い方…ひどいな。」

「…遅刻するから…行くね」

私が歩き始めると、待ってよってついてくる

翔「ねぇ、夜ご飯一緒に食べようよ」

「…用事があるの」

翔「大事な用事？」

「そう」

ふーんって言ったあと
じゃあスマホ出して？って……

翔「そういえば連絡先知らなかったから」

昨日の事なんてなかったみたいな顔して…

翔「はやく？」

交換してしまえば、この場から解放してくれると思った

「……はい」

だけど、
タイミングが良くなかった

"起きてる？今日は夜ご飯一緒ね"

るっくんからのメッセージが
ディスプレイに出て、慌てて伏せる

翔「……………」

「……………」

翔「…大事な用事？」

急に変わる声色にまた
私の体は固まってしまう

.