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どうせもうすぐ無くなるかさぶただとしても、私がやったことで吉良ヒが悲しい顔をするのは嫌だった。
かさぶたがなくなったら、つまり失恋したら、吉良ヒは悲しむだろうしきっと心は傷つく。
それに、私は悪者になりたくないしね。良い人ではないけれど。
「なんか、ごめんね。私、せっかく吉良ヒがかさぶたのこと話してくれたのに、ろくなことできてないや」
吉良ヒは人選を間違えたなと思う。
吉良ヒへの恋愛感情を抜きにしても私ほど人間関係の相談に向いていない奴はいないだろう。内向きの性格だと言うのは、自分でも理解はしている。
「いや？ 別に、そもそも期待してねーし」
「わ、辛辣ぅ」
「いや、違ぇし」
吉良ヒは私を見上げて、何かを言いかけるようにパクパクと口を動かして、やっぱなんでもねぇ、と立ち上がる。
「そろそろ帰っか」
「あいあいさー」
巻き上げたズボンの裾をおろして、かさぶたが隠される。早くいなくなっちゃえ、と最後に取れかけたかさぶたに向けて心の中で呟いてから、図書室を後にした。
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マトリックス(プロフ) - 杳覇さん» コメントありがとうございます^_^ この話自分でも気に入っているので、そう言っていただけてとても嬉しいです！文章も褒めてくださりありがとうございます！！！ (2020年12月4日 6時) (
レス) id: 42c58f3b28 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - コメント失礼致します。かさぶたに恋とは、また新しい発想ですね…！しかも夢小説…！！ 圧倒的文体センスで思わずのめり込んでしまいました。その先の二人について、色々妄想できるのも楽しかったです。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年12月2日 23時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マトリックス | 作成日時：2020年4月8日 4時
