ジェヒョンなんて男知りません。 ページ6
「最近ユタヒョンばっかり、」
「えー、だってジェヒョンいないじゃん。」
「それはごめん、んんぅ、ん、なんでそんな撫で方変なの〜」
すりすりと膝を撫でられているだけなのに変な気分になってくる。なんだろう手付きが違うんだろうか。あったかい手が優しいのにじわじわと滲み出ているAの欲に当てられてるだけなんだとは思うが。ジェヒョンにはそれを思考するほど色事に興味はない。ただちょっと楽しいし、生物学的に基づいた根拠を述べながら顔と身長と容姿以外を褒められるのは嬉しかったから。
「ぅ、ン、それ、くすぐったい、ん」
手っ取り早く自己肯定感が上がる。なんだかんだ言ってAは人を貶したりしない。「この足は？」と聞かれればどんなところでも褒めてくれる。好みの幅が広いんじゃなくて、全部好きなんだと思う。女の子ならなんでもいい！って言う男と同じ理論で。少なくともジェヒョンはそう思っている。海より広いストライクゾーンなんてあってないようなものだし。
「お前はどこ見ても綺麗」
こればっかりは誤算だった。目も合わせずに白い肌を指先で好き勝手弄って、うわごとのように甘い声で褒める。目を合わせている時はそんな顔しないのにこうして世間一般から見てセクハラ行為を働いている時は愛しい恋人を抱くように優しく触れて甘い顔をするから。
「恥ずかしいから、そういうの、やめて。」
色々と、狂う。自分以外にもこうしてると考えたら死にそうになることに最近気付いてしまったジェヒョンにとって、それは酷い拷問と変わらない。冷静に考える思考と、反応して乱れる情緒に眩暈が起きそうになる。
「嫌だ。褒められるの好きだろ。」
「じゃあ、もう僕に会いに来たらいいよ、ん、」
「仕方なくって提が大好きなくせに。」
「あはは、うん、その通り。好き。」
弟に手を出そうとするのを止める兄に差し出される生贄。そういう前提があって初めて成立したこの場に慣れたジェヒョンはそれ以外の口実が思いつかない。仕方なく、僕は優しいから全部仕方なく引き受けて、Aの手が上手いから体は嫌だけど気持ちよくて、そうなると好きになっちゃうのも仕方がない。
「ぁ、ん、だから、これからもずっとスーチェンはお預けだよ。」
「……それはそれで興奮する。」
誰に、とは聞かなかった。
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Akasandayoo(プロフ) - おういさん» 目を凝らしてやっとわかりました。ありがとうございます。疲れ目の弊害が (8月1日 22時) (
レス) id: 23aa87851f (このIDを非表示/違反報告)
おうい(プロフ) - コメント失礼します。イチリルではなくてイリチルです。ウィンウィンはイリチル兼WayVになります！ (8月1日 20時) (レス) @page1 id: 3e216d5d87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Akasandayoo | 作成日時：2023年6月23日 6時
