6 ページ6
.
｢れぇん、おーい、廉！……まぁいっか｣
あの人の顔が頭から離れなくて、海人の声も耳に入らなかった。
…カッコよかった、な。
あんなイケメン見たことないってくらい、ほんまに。
てか、え、俺ちゃんと謝ってへんやん。衝撃デカすぎてちゃんと会話できてへんやん。
.
…てか俺、あの人の前でリバースしてもうてるやん
.
始まりかけた俺の恋は、一瞬で終わった。
それからは誰に話しかけられても、うん、しか返せず、左利きという理由で陣取っていた端の席で、ひたすら烏龍茶をチビチビと飲んでいた。
.
｢ねえ廉、どしたのさ！ほら、からあげは？ポテトは？…もう、俺食べちゃうよ｣
｢うん｣
｢はぁ？…あ、あの親切イケメンさん、もう帰っちゃうよ｣
海人の言葉に咄嗟にレジの方を向けば、その人とその友達らしき人がお会計をしている最中で。
.
…やっぱカッコイイ
…俺、ほんまにここで何もせず終わっていいんか？
…せめて謝罪と感謝だけでも言った方がいいやろ
あわよくばそれから仲良く…いや、そんな高望みはしない。
.
…でも、少しの望みにかける！
『あぁ！それ俺のレモンサワー…て、廉！どうしたの！』
海人の手からお酒を奪って一気飲み。そのまま立ち上がってすでに店から出ていったその人を追いかけた。
.
｢ぁ、あの…！｣
『…ん？』
振り返っただけで様になってて…やば、めっちゃドキドキしてきた
.
｢あの、その…この前は迷惑かけてすみませんでした！…あと、ありがとうございました！｣
勢いよく頭を下げ、精一杯の謝罪と感謝を。
『あぁ、全然気にしないで。てかそのためにわざわざ追いかけてきてくれたの？』
｢…まぁ、はい｣
『それはそれは…こちらこそわざわざありがとうございます』
そう言って頭を下げたその人。
…なんなん、めっちゃ良い人やん！
.
『…じゃあ、俺らはこれで』
.
.
｢…ま、待って！…下さい｣
優しい笑顔を残し、立ち去ろうとするその背中を呼び止めた。
.
さっきと同様、振り向いただけで様になってるその人と、これで終わりにしたくなくて。
.
.
｢……ぁ、あなたのこと…す、好きになっちゃいました！｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こあ(プロフ) - 初めまして！スパダリ紫耀最高すぎました！！そして可愛すぎる廉！何度も読み返します〜！ (5月7日 1時) (
レス) id: 3a3c088074 (このIDを非表示/違反報告)
Renren12321Rn(プロフ) - 初めまして。こちらのストーリーめっちゃ好きで何回も読み返してます。これで完結なのですね！さみしい〜！ぜひ紫耀くん目線も書いていただきたいです。あのときどう思ってたのか、とか、廉くんのこと好きになる過程、我慢してる過程を見てみたいです！！ (5月6日 14時) (レス) @page29 id: 97a05c6f66 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ・む(プロフ) - はじめまして！夜分遅くにすみません。こちらの作品、更新停止中に見つけて設定など含めめちゃくちゃハマってしまい何回も読み返していました！更新凄く嬉しいです！つい感動してしまいコメントしてしまいました…。引き続き大好きな作品なので拝見させていただきます！ (2022年7月19日 1時) (レス) id: 951fa2cf1b (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ななみさん» 初めまして、コメントありがとうございます！！嬉しいです！頑張ります（ ; ; ） (2021年3月18日 1時) (レス) id: 9bec30fd9a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 初めまして。廉君可愛すぎます(^^)大事にしすぎてる紫耀君もかっこいいです。更新楽しみにお待ちしております。 (2021年3月17日 4時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 | 作成日時：2021年3月9日 22時
