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「そういや、もうすぐ島に着くらしいぜ」
簡単な書類のチェックにやってきたエースは、Aに紙の束を渡しながらそんなことを言った。
「島についたらどうするの？」
書類を受け取りながら尋ねると。
「悪いとこじゃなければちょっとは観光できんじゃねえのかな」
「え、お買い物できる？」
「おう、ナースたちがいっつも抱え切れねぇほどの紙袋持って帰ってくるくらいにはな」
うわあ、楽しみ。パッと花が咲くような笑みを浮かべる。
持ってきた服は正直必要最低限で、中々着回すには足りなかったのだ。
服以外にも色々と買いたいものがある。なにかと必要なのだ。女の子は。
それが表情に出ていたのだろう。
「女って買い物好きだよな」
エースにはよくわからないようだった。
「そりゃあ、男の子たちよりもいろんな面に関心あるからね」
「へえ…？ まあ俺らは飯さえ食えればそれでいいな」
「んは、らしいなあ」
楽しみ方はきっとそれぞれ。エースも心なしか楽しみにしているようで。
観光のできるところだったらいいなあ。
「もし観光するなら、マルコに声かけとけよ」
「そうなの？」
「一応な。置いていかねぇようにチェックがいるんだよ」
ああ、なるほど。Aは呟いた。
これだけの人数が乗っているんだ。万が一、誰かを取り残して出発しないように色々と対策を取っているのだろう。
「それに、ナースと違ってお前は戦えねぇからな。誰かしら連れていけよ」
「え、ナースさんたちって戦えるの？」
「そこかよ。あいつら白ひげのナース名乗ってるだけあって凶暴だぜ。怒ると最強に怖い」
怒らせたことがあるのか。エースはその時のことを思い出してぶるりと震えた。
「女の怒りって、男の脅迫より怖いよな」
「なにしでかしたんだか」
視線を書類に落とすと、「それより！」とわかりやすく話を逸らす。
「ほんとにちゃんとマルコに言えよ！ なんなら俺もついて行けるし」
「うん、わかったよ」
ありがとう、と言って。は、と笑ったエースに立ち上がり、書類を突き返す。
「でもそれよりも先に、ちゃんと書類作ってね？」
ケアレスミス、と言えばエースは「げっ」とあからさまに顔を顰めたのだった。
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fuwari(プロフ) - アイズさん» ありがとうございます！嬉しいです。更新頑張ります！ (2022年10月15日 14時) (
レス) id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！更新楽しみにしてます！ (2022年10月3日 0時) (レス) id: 3dc7d1a49b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fuwari | 作成日時：2022年9月17日 13時
