遠い出来事 (ページ12)

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亡骸を抱え、外に出る
家の裏手には私達が2人で作り続けた子供の墓があった
その隣に××××の遺体を埋葬する
石を持ってきて、墓碑にして
私は立ち上がった

「××××……ごめんね」

縄を切ったナイフで髪を短く切る
切られた髪は少し風に飛ばされたけど掴めたものはすぐに結んだ
そして、墓碑にかける

「私の長い髪、好きなんだろ？
なら…ずっと横に置かせて」

今度は自分の服を破く
背が高いのに無理に作られた女の服
どうせなら動きやすくしたい、それならスカートよりもスーツかなとか考える

＿＿貴方が正しいと思う道を進んで＿＿

「私の正しいは、きっと他人にとって偽善
私が、正しいと思えるような意見に会えたら＿従いたい」

きっとここに××××がいたら「それじゃ意味ないじゃん」と笑うかもしれない
けど、私にとって善悪が分からない何かになってしまった

「子供の意見も大人の意見も聞こう、私は
私が正しいと思ったことを信じて進めばいい…」

戒めのように形見のピアスを両耳につける
血が出た、けどどうでもよかった

屈み拳銃を墓の上に乗せ、鞭を腰に隠すように直す
手を合わせて目を閉じ願った
数分後、目を開け私は立ち上がる

「それじゃ、××××、行ってきます」

私は、その日から一人旅に出かけた

これが昔の私
え？結局××××の名前はなんだって？

わかんない
覚えてないな
親の顔も、××××の本当の名前も

残念だけどもう記憶に残ってない