・ ページ29
Aは泣きながら続ける
「私…お母さんが亡くなった時…とっても…怖かったの……っ
お父さん、その日から…怖いぐらい態度変えて…っ、もしかしたら、もし…かしたらっ
お兄ちゃんまでいなくなるかもって！
だから、今迄…欲を言わないで…一緒にいれる道を…頑張って貫いてたのに……
どうして、私の前から姿を消そうとするの？！
私は、私は…お兄ちゃんと一緒に…いたいのに…お父さんもお兄ちゃんも居なくなったら…私、本当に独りぼっちになっちゃう…」
そんなの嫌だ、と言った後言葉が紡げないぐらい大きな声で泣きじゃくる
ジョシュはそっと、抱き締めてから俺を見た
「Aはお前がいて初めて幸せと思えるってずっと言ってた
知らないだろうけど、トロイメアの姫にもここの国のお得意さん、友達、勿論俺にも話してたことがあった
それは、他でもないお前の自慢話だ
いつも笑顔で“兄上、私への愛は凄いんですけど、でも愛されてるなって思えてとても嬉しくって”って言ってた…
お前が居なくなると、こんな笑顔もなくなるんだ、わかる？」
冷たく響く声は、俺の心に突き刺さる
Aが…俺と一緒にいて…幸せを感じる？
なら、父様の意見はどうすれば
「俺には分からないよ…だってこのままじゃAが父様の傀儡になる…っ！！」
そう、そんなことはさせたくない
けど、どうもならない…解決策が思いつかないし思いついたところでもう間に合わない
そう思っていた時だった
「Aちゃん、ジョシュアさん、宇治さん！！
もし私の考えが正しいなら…、皆がここに残る方法、思いついたかも知れません！！」
息を切らして入ってきた、彩矢ちゃんの声が室内に響いたのは
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月夜 | 作成日時：2020年2月8日 20時
