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試作品を ページ10

夢主side

夕食に出されていた秋刀魚の綿を白米にこっそり混ぜて食べる
彩矢様は品を見て嬉しそうに微笑んで「私の家でも食べたものばかりです!」と喜ばれていた
今も美味しそうに箸を進めている…一安心だ
ジョシュア様も久し振りの和食なのか「うん、美味しい」と汁物に口をつけていた
兄上に席を外すと伝え厨房へと向かう

「料理長、今日の朝用意していた生地はどうなってますか?」
「それなら、手筈通り此方に下準備を終えたどらいふるうつと共に置いてあります」

片仮名の言葉をたどたどしく言う辺り今迄外交を積極的してこなかったことが顕著だった
ふわりと微笑み感謝を告げ最後の仕上げをする
形を作りドライフルーツを生地に乗せオーブン_父上に頼んでつけてもらった_にいれ焼いてしまう
香ばしい匂いが漂った、クッキーの完成である
ててっと嬉しくなり走ってしまう

「只今戻りました、先程申した試作品の1つです」

すっと座り手にしていたお皿を床に置く
どうしようかと少し悩んだ後、置いたお皿を持ちそれぞれの秋刀魚の入っていたお皿に1種類1枚、つまり3枚置いていく
2人は「え」という顔をしていたが彩矢様だけは「わぁ、久し振りにこんなのを見ました」と感心していた

「クッキーです、薄緑のものは抹茶を生地に混ぜました、所々に黒い粒みたいなのが入っているのは紅茶の茶葉を細かくしたものを混ぜたものです、そして残りの1枚、此方はあまり自信はありませんが…珈琲の粉を混ぜ、苦味を抑えるためにドライフルーツを…」

少し心配になり最後の方が言えてなかったと思う
けど、反応が気になるから顔はあげていた

・→←なんてことない幸せ



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作者名:月夜 | 作成日時:2020年2月8日 20時

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