例え仲が悪くとも (ページ3)

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兄上再びページ3

彩矢様にある程度礼儀作法やら専門用語のことを説明した後、出された抹茶を1口飲んだ
横でどうだったかと手順を思い出す姫君に微笑む

「確かに、礼儀作法に則って私がお教えした飲み方で飲んでもらうのが1番です
しかし、無理にそのように飲む必要はありません…最後に大切なのは“抹茶をその人が楽しむこと”ですから」

そう言えば安心したように碗に口をつける
私もそれを見て1口飲んだ
やっぱり私と兄上とでは同じ方法で点てても全く違う
私は、兄上の点てた抹茶が好きだった
彩矢様もそう思ったのか、飲み終わった後に「とても美味しかったです」と微笑んでいた

「抹茶ってもっと苦いものと思ってました」
「確かに、苦くさせようと思えば出来ますが…」
「抹茶には苦味の中に甘味もある…それがいいんだよなぁ」

兄上が自分で点てたものに口をつけ彩矢様の発言に答える
確かに、茶葉でも違うと答えると姫君は笑った

「なんだか、紅茶と同じですね！」
「あ、彩矢様！？」

慌てて兄上の方を見ると……やっぱりそうだった
碗を起き俯く、顔は見えないが兄上からはただならぬ冷気が漏れてた＿やらかした
すっと彩矢様の前にずり込み兄上との間に座る

「紅茶…と同じ…？
違う…抹茶はあんなものより優れてる…」

やっぱり、と頭を抑える
どうやら兄上の悪い癖が始まってしまったようだ