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訪れた沈黙を破るように鶯丸の「そうだな」という声が響く

「早い所、ここは捨てて逃げた方がいい…」
「でもさ、どうする?国俊と清光と青江以外は足遅いか図体でかいかでかなり逃げるのに不利だ」
「それに人数が多くなればバレやすいしね」

鶯丸の提案に鶴丸と光忠が反論する
確かにその通りだ、誰一人として間違ったことは言ってない
しかし、どうしようもないのもまたその通りだった
さて、どうしようそう思っていた時だった

「主、否、主や共に逃げるものが無事に逃げれる為の防波堤になりましょう」

長谷部がそう呟く、それも微笑みを浮かべて
信じられない、と私は叫びたくなるのを我慢した

「俺はこの中でも足が早い方です、しかしこの足は主と共に逃げるには早すぎます。それに俺よりも“初期刀”と“初鍛刀”の2振りが共に逃げる役に最適だと思うのです」
「え、待ってそれじゃ…」

長谷部の隠した言葉を理解したのか、清光と国俊が驚いて慌てる
私もまさか、と思って首を左右にふる
しかし、残りの6振りは笑ってた

「長谷部君にいい所とられたなぁ…、でも、この役は格好良く決めれるよね」
「良いねぇ、そそられるねぇ…主を守る囮って言うのがだよ?」
「おやおや、皆乗り気だねぇ…。それに祖も行くみたいだし、俺もお供しようか」
「まぁ、気にする事はない。俺達に任せておけ」
「良いなぁ良いなぁ!!俺も楽しくなってきたぜ!!彼奴らに1発驚きを届けてやろうぜ!!」
「私は主が無事に逃げ切れるためならどんなことでも致します…、石切丸殿もそれで宜しいですか?」
「…主が無事に逃げれるよう祈祷をしよう…最後の、ね」

7振りの言葉からは皆私と共に逃げるではなく残って戦うという意思があった
残された3人は……泣いていた、だってその後のことが分からないはずないから

__→←過去、忌々しい思い出



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作者名:月夜 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年7月9日 7時

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