罪の芽 ページ6
その場はかなり凄い_一寸幼稚な言い方だが本当にそれしか言いようがないほどの有様だった
他の言葉でもやはり「酷い」位だろう
その場は確かに教会があった場所だ、覚えてる
主に教えてもらったから覚えてる
けど、そこには教会なんてなかった
あるのはただ、崩れ落ちた十字架にゴロゴロとその場に転がるように落ちている瓦礫
積み重なるようにして放り投げられてる天使や悪魔の死体
瓦礫もただ壊れただけでは無い、粉砕されたガラス片もあるし、とにかく酷いのは瓦礫にこびりついてもう取れない血痕だ
かなり酷い、まだ鮮やかな朱を保っているものもあればもう元の色を忘れた色もあった
けど、とにかく酷いのはそれだけでは無い
臭いが酷い
とにかく臭いのだ
死臭もあるけど、戦争が起きてる場所だ、あらゆる場で火事が起きてる
こんな所、たまったものじゃない
こんな思いをするのならば来るんじゃなかったと思った、その時だった
「……て、んし…?」
後ろからそんな声を聞く
振り返るとそこには
「嫌、だ……もう、しないから…たす、けて…」
黒い翼の生えた、黒い髪を緩く一つにまとめている、悪魔の女だった
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作者名:月夜 | 作成日時:2020年3月4日 15時