物語七十五頁 ページ28
オビ
クリスタルはあまり大きい国じゃなかった
なかなか見つけられないことに焦りを感じた
オビ「どこに行ったんだ、翼嬢は」
一度止めた足を再び動かし城へ向かった
今までに無いくらいの速さで一部屋ずつ見ていく
ここがラストか
ドアを開けようとした時
中からは聞き覚えのある声が聞こえた
その声は明らかに翼嬢の物だった
別れを告げる
そんな内容だった
すぐに部屋に入ることができなかった。
『きっと私は貴方が好きだった。オビ…』
オビ「ぇっ？」
一瞬理解ができなかった
でもすぐに理解した。
俺もあんたが好きだ。
途端勝手に足が動き出した
目の前には涙を流し剣を自分に向けている翼嬢
オビ「何やってるんですか。翼嬢」
剣をつかむ手の力が抜けたのかへなっと手を下ろした
『オビ…』
俺の名前を呼んだのに返事をするように笑っていった
オビ「まだ死なせませんよ」
そっと抱きしめると
翼嬢はさらに涙を流した
何度か見たことのある翼嬢の涙
今回は一段と多いようだ
.
.
ドンッ
気がついたら俺は尻餅をついていた
全く現状が理解できない
いきなりだった
オビ「翼嬢？」
俺から距離をとって下を向く翼嬢
『私に関わらないで。』
オビ「そりゃまたなぜ？」
いつもの調子で聞き返したのが悪かったのか
翼嬢の顔はさらに険しくなった
『私は生きてちゃダメなんだ。
人を不幸にする。
ゼンがいうように私は優しくなんてなれない。
この国のように大きな不幸をもたらす。
私は皆を不幸にする！』
オビ「幸せがあるから不幸があって不幸があるから幸せに気が付かされる。俺はあんたたちに出会って気がつかされたよ」
『私は多くの人の命を奪ったんだ！
私だけの命のために多くの人の命を犠牲にしたんだ！こんな私に生きる意味なんてない！』
少しずつ翼嬢との距離を縮めて行った
とまれと言われて素直に止まるバカはいない
オビ「俺は、あんたに死んでほしくない。
きっとクリスタルの国民もそう思って翼嬢を守った。」
また翼嬢を抱きしめた
今度はさっきよりも力強く抱きしめた
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舞姫桜乃鬼 - 面白かったです！内容もとても良くすごく気に入りました！続き楽しみに待っています！(^ο^) (2017年12月31日 23時) (
レス) id: 0564fd8680 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 面白かったです！続き楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2017年11月24日 21時) (レス) id: 30c6595324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけねこ | 作成日時：2017年8月19日 23時
