友人の恋路【雪】 ページ4
それに気づいたのは本当にたまたま。どっかに行ってた慶次が細川と一緒に帰ってきて、互いになんとなくぎこちなかったり、慶次が1人でなにかボソボソ言ってるのに、細川の名前が出ていたり。
だからまぁ、言ってしまえばなんとなく？俺は慶次の恋心(であろう)に気づいた。
「慶次ってさ、細川と付き合ってるの？」
「はぁッ？！いや、珠とはそういうんじゃねぇし…。」
「なるほどね、片想い。」
「要？！」
珍しく焦った様子の慶次に目線を向けることなく、紙パックの林檎ジュースを口に運ぶ。(これはさっき旗印戦を仕掛けてきた雑魚くんに奢らせたものだ。)というか、否定してもそんなに焦ってたら、態度で肯定してるようなもんだからね？
観念したのか大人しく隣に座り込んだ慶次は、長々とため息を付いた後、俺と同じように紙パックの林檎ジュースを口に運んだ。(こちらは俺を捕まえて、「いいもん持ってんじゃん。」とねだられた。)
「つうか、よく気づいたな。態度に出してねぇつもりだったんだけどな…。」
「意外とわかりやすいよね、慶次って。」
ムスッとした顔をこちらに向けた気配がしたため、ちら、と目線だけを慶次に向ける。すると、もう開き直ったのか、細川さんの話を始めた。俺には惚気にしか聞こえない。
「なぁ、どうすればいいと思う？俺。」
「知らないよ。恋人も好きな人もいない俺に聞かないでくれる？」
「だよなぁ…。要の恋人は剣道だもんな…。」
「黙ってもらっていい？」
ほざく慶次を一刀両断した後、少し考えて、「デートでも誘ってみれば？」と、ありきたりなアドバイスをすると、案の定、「普通すぎるだろ！」となんとも面倒くさい回答が帰ってきた。聞いてきたのそっちだからね？
めんどくさくなってきたところを、顔をあげると、細川さんがこちらへやってくるのが見えた。
「あ、与謝野くん、慶次くん。日向ぼっこですか？」
「そんなとこだよ。じゃ、細川さん来たし、邪魔者は退散させていただきますよ。」
「は？」
席を外して階段を喉った後、窓から見下ろすと、楽しそうに談笑する二人。どう見ても似合いの二人だ。
たとえ1年だとしても、二人が幸せになれるように願っている。
…けいたま、最高かよ、とは思っているが、これは決して、俺の好みではない。…決して。
【友人の恋路】fin
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TENN - 更新失礼致しました。 (7月24日 22時) (
レス) id: 62190880e4 (このIDを非表示/違反報告)
象 - 更新しました (2023年2月16日 23時) (レス) id: b1451b29dc (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 小鳥遊ふゆうさん» ありがとうございます！本編も裏話もかわいい…！りんちゃんも敦盛くんもゴスロリ似合いそうですね！絶対かわいい…！ (2023年2月13日 17時) (レス) @page9 id: e773ddd9f3 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊ふゆう - 更新失礼しました！ (2023年2月13日 16時) (レス) id: 8d5fbbd3ac (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 小鳥遊ふゆうさん» 了解しました！更新ありがとうございます！ (2023年2月13日 7時) (レス) @page8 id: e773ddd9f3 (このIDを非表示/違反報告)
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