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ページ17

「ん、良いよ。親父の買収、期待している。」
「なんで買収だよ。そもそも親子で遺伝子一緒な訳無いだろ。」
「違いが明確になるだけだよ。」
「それな。」
「そっか、じゃあダメ。悪い。」
「切り替え早。」


コントのようなやりとりに阿波がクスクス笑う。
とその瞬間、地響きがして会場に割れんばかりの喝采が響いた。アナウンサーが叫ぶ。


『See ya!!!!』


見事なシュートで周りの観客は一斉に立ち上がり歓声を上げたり抱き合ったり指笛を鳴らした。解説が興奮した様子で何事か捲し立てているが聞き取れない。連中はその突発的な熱狂に仰け反った。


「え?声やば。」
「音デカ。」
「盛り上がり凄い……」
「さすがアメリカ、なんでもビッグ。」
「俺らも負けてらんないな。」
「何に対抗心燃やしてんだよ。」


順応力が高いことで定評のある九条がバッと立ち上がって周りと同様にはしゃぎ始めた。すぐに敦盛も笑いながらそれに倣い月夜も続き、結局皆で立ち上がって喜び始めた。後列の大柄な男性が「Hey!!」と手を出してきたのでハイタッチする。続いてハイタッチに応える要を見ながら阿波は思った。

ああ、青春ってこれだ。





「あの人達何してるのかな。」

ズゾ、とストローから口を離した阿波は言った。阿波の視界の先には席に座って前かがみになり顔を伏せている男女がいる。要はフライドポテトを食べながら「嗚呼」と頷いた。


「モニター見てみて。」
「?」


モニターを見ると試合はちょうどハーフタイムの場面で先程まで選手を映していた画面は観客席の様子を流していた。顔も判別できないほど引いた画面には埋まった席の数々。此れが如何したのかと思っていればパッと切り替わらった画面に二人の若い男女が写った。二人はモニターに気づき何故か照れくさそうに顔を見合せ次の瞬間には熱烈なキスをした。


「!?」


阿波は目を丸くする。ピューと尻上がりの口笛が広いドームのあちこちで響いた。要は笑って言う。


「キスカムって言って、カメラに映されたカップルはキスしないといけないのがアメリカでのこう言うスポーツイベントのしきたりらしいんだ。しないと観客からは大ブーイングだから兄妹とかで来てる人は此の時間は全力で顔を隠す訳。」
「よくやるよな。」


敦盛の手から勝手にポテトを奪った朝倉が言った。


「な、なるほど……」

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TENN - 更新失礼致しました。 (7月24日 22時) (レス) id: 62190880e4 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新しました (2023年2月16日 23時) (レス) id: b1451b29dc (このIDを非表示/違反報告)
- 小鳥遊ふゆうさん» ありがとうございます!本編も裏話もかわいい…!りんちゃんも敦盛くんもゴスロリ似合いそうですね!絶対かわいい…! (2023年2月13日 17時) (レス) @page9 id: e773ddd9f3 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊ふゆう - 更新失礼しました! (2023年2月13日 16時) (レス) id: 8d5fbbd3ac (このIDを非表示/違反報告)
- 小鳥遊ふゆうさん» 了解しました!更新ありがとうございます! (2023年2月13日 7時) (レス) @page8 id: e773ddd9f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年1月22日 0時

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