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「本当に良い天気だねぇ。」
「ね。」
眠たいって半目な彼女。
うとうとと、今にも寝てしまいそう。
かく言う俺もめちゃくちゃに眠たい。
太陽の光と海の音が俺たちを優しく包み込む。
「...なあ、」
「んー?」
猫みたいにふにゃふにゃ。
今にも耳と尻尾が生えてきそう。
不本意ながら、かわいいと思った。
「渡したいものは?」
「んぅ?」
「ずっと、俺に渡したいって言ってくれてたもの。」
もうこれは渡す渡す詐欺だ。
明日渡す、明日渡すってずっと先延ばしにされて。
楽しみは後に取っとくものでしょ?なんて通用しないくらい待たされた。
いつもあの笑顔で逃げられてしまう。
するり、するりと。
「んー、明日絶対手に入るよ。」
ほら、またそうやって。
「...っ!?かみやまくっ!!」
「言って。逃げないで。隠してるもの、全部俺に教えて?」
くるっと反転してAを見下げる。
俺の下で真っ赤な顔をしてる。
渡したいものだけじゃない。
彼女が隠してるもの、全部。
「...別に今じゃなくていいでしょ。先、急がなくたって。」
「そうやっていつも俺に教えてくれない。」
「関係が今日で終わるわけじゃないじゃん。少しずつ時間をかけて知っていくのもよくない?」
「またそうやって...!」
「簡単に知るとね、面白くないから。」
またそうやって。
俺はこの笑顔に弱い。
はぁ、とため息をついて自分の体を支えていた腕の力を抜いてAに体を預ける。
「ほんまずるい。」
「...近い、」
「なに?ドキドキしてるん?」
「...昨日までビービー泣いてたくせに!」
「...っ、」
ちょっと意地悪してやれば、倍返しにされて。
ごもっともな正論すぎてなにも言い返せずに縮こまってしまう。
それに、俺も、ドキドキしてる、だなんて。
口が裂けても言えない。
こんなことするなんて柄じゃない。
わかってる。
だけど触れたかった、今にも彼女が消えてしまいそうで。
なぜか、切ない。
「...渡したいものね、きっと明日になったらわかる。」
「...ほんと?」
「うん、絶対。」
まっすぐな瞳。
これ以上はなにも言わなかった。
「神山くん、もう人生からは逃げようとしないでね。」
「きっともう二度とそんなこと思わない。...Aが、いるし。」
彼女は頷いた。
嬉しそうに、幸せそうに、満足そうに、笑った。
ねえ、消えないで。
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かみやまつしま♪(プロフ) - お返事ありがとうございます。私のわがままなのに…!短くても、ゆっくりでも、続編があれば嬉しいです。Twitterのアカウントは持っていないのですが、鍵アカウントやフォロワー限定などでなければ見ることは可能です! (2019年11月5日 18時) (レス) id: 1532c3336c (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - かみやまつしま♪さん» どうしてもTwitterじゃ都合がつかないという場合は占ツクの方で短編を投稿しようかなと思います。ゆっくりにはなると思いますが、ご了承いただければ幸いです。長文失礼致しました、嬉しいお言葉、ありがとうございました! (2019年11月4日 22時) (レス) id: fbc756b86f (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - かみやまつしま♪さん» 少し厳しいかなぁ、というのが結論です。ですが、せっかく続編、という言葉をいただけたので、Twitterの方で短くはなりますがお話を書こうかなと思います。Twitterアカウントはお持ちでしょうか?もしお持ちじゃなくても閲覧できるような形での投稿を考えていますが→ (2019年11月4日 22時) (レス) id: fbc756b86f (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - かみやまつしま♪さん» 続編の方は、しばらく時間をかけて考えさせていただきました。そのため、返信が遅れてしまい大変申し訳なかったです。続編の方ですが、明日の贈り物は私の中では綺麗な形で終わっていて、何より完結から一年が経ってしまっているので、占ツクに続編を出す、というのは→ (2019年11月4日 22時) (レス) id: fbc756b86f (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - かみやまつしま♪さん» 完結から一年経った明日の贈り物に、コメントを下さりありがとうございます。このお話は私自身への救済のために書かれた、何とも身勝手で自己中心的なお話でしたが、今でも誰かの心の中に生きているお話に育ち、感無量です。私の方こそ、ありがとうございます。 (2019年11月4日 22時) (レス) id: fbc756b86f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:プシュケ | 作成日時:2017年9月23日 19時