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｢その必死ぶり…やっぱりね。木の上から見たお前は他の男に比べて体が小さかったからな。俺はずっと怪しいと思っていた。｣
Aは、今すぐにでも目の前の奴を切りくずにしてやりたい気分にさらされた。
｢何がしたい…｣
｢風間はそれを知らないみたいだな。あいつに言いふらしても構わないか？｣
簡単そうに口にする南雲に怒りを覚え睨みながら、刀を握る手に力を込める。
｢そっちがその気なら、俺だって殺してやる｣
｢えっ?
ハハハハッ…!お前、おもしろいね。俺が挑発してるようにでも見えた?…そうだな…次から千鶴を襲わないって約束してくれるのなら、アンタの秘密は黙ってておいてやるよ｣
南雲は都合よくいって楽しそうに笑っている。
一番喧嘩っ早いのは、人間でもなく新選組でもなく、鬼なのかもしれない。
呆れた。
いきなり物を言っておいて、交換条件だなんて。
しかも対象が雪村千鶴…風間が狙っている女鬼…あまり都合がいいとは言えないな。
それに、こちらからは口出しするものができないのも不利なもんだ。
｢誰がお前を信じるのでも？俺達は初対面だ｣
｢どの口を開いても真か偽かはすぐにバレる。こうしよう、誓を破ったら斬首だ｣
｢いいだろう｣
｢女にしては強気だな｣
感心したように見つめる南雲。
｢お前が信用出来ないと言っただけだ。約束を守るなんて、簡単だ｣
｢では頼んだぞ…如月A｣
薫は去っていった。
｢あいつ…なんで俺の名を｣
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作者名：鬼巳 | 作成日時：2017年10月28日 16時
