君を見つけるまで。

． ページ9

薮side




「ただいま〜」




「おかえり、宏太」




「お風呂沸いてるよ。」




「先、飯食ってもいい？」




「いいよ。今、盛るね。」




「光の情報どうだった？」




「ハズレ…だった。」




「…そっか。」





「ごめんね…」




「なんで、知念が謝るんだよ笑


俺こそ、知念が人見知りなの


知ってるのにこんなことやらせてごめん」




「いいよ。宏太の力になりたいから。」




俺はいつも知念に甘えてしまうんだ。




店の店員とも、まともに話せないのに




光探しのために知らない会社に出向いて




情報の確認をしてきてくれる。





最初は2人で行ってたけど、ある日 知念が




『僕、1人で大丈夫だよ？』って。





最初はめっちゃ心配だったけど、




俺が思ってたより何倍も知念は強かった。




本当は俺がしないといけないことを、




知念に任せきりで悪いと思ってる。




本当にごめん…




「宏太…？」




「…ごめん。」




「具合悪い？」




「ちょっと考え事してた。」




「冷めちゃうから食べて。」




「いただきます。」




俺には知念が必要なんだ。




きっと知念がいなかったら今頃死んでる。



いつも同じはずなのに、




今日はやけに味噌汁が身体に染みた。

．→←．

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す