君を見つけるまで。

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突然出てきた言葉に、


うまく反応できない俺をよそに、


大貴くんは話を続けた。




「それで、父さん馬鹿だから


不倫してた女に金持ってかれて


うちが貧乏になって」




「うん」




「でも母さんは馬鹿だけど


悪知恵だけは持ってたから不倫相手から


金もらって、うちは金持ちになりかけた。


けど、俺が病気になったせいで


全部飛んでった。そして今ここ」




「そんなことが」




「あんたも想像すればわかると思うけど、


こんなのいなくなりたいに決まってるじゃん」




「たし…かに」




どうしても曖昧な返事になってしまう。




大貴くんのことが心配になってきた。




「てか、気になることがあるんだけど…」




「ん？」




「俺何の病気か分からないのに


ここにいるんだよ？


しかも、行く宛もないからここ住み的な


感じなの。」




大貴くんが口角をわざとらしく上げた。




「おかしいよね？」




「おかしいね。なんかあるのかな」




こっちは真面目に言ったつもりだったのに、




「…面白いね。


ごめん、真面目に考えてくれたのに。


今の半分くらい嘘。」




「は？」



この子は何がしたいのか。



俺は試されてるのか。



大貴くんがまだ、掴めない。

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