【鬼滅の刃】どうしても霞柱の継子になりたいらしい。

拾漆 ページ19

久しぶりに触れた暖かな手。
ぽろぽろと涙が溢れ出す。
今まで貯めていた感情が溢れ出る。


？｢名前は？｣

涙を拭きながら頑張って答える

『…A』


無｢ふーん。僕は時透無一郎。なんで君はここにいるの？｣


答えようとしたその時


｢何事じゃあぁぁあ！！！｣

上からドタバタと音が聞こえる。
住人が目を覚ましたのだろう。



『あの！ここから離れてください！あなたも同罪にされてしまうかもしれないです！』


無｢なにそれ？君なんか悪いことしたの？｣

『…実は』


手短に状況を話した。
聞いてるのか聞いてないのかよく分からないが、ずっと無表情だった。

無｢鬼のせいじゃん。最低なヤツらだね。
逃げよう？｣


私は突然手を引かれ、引っ張られた。
転けそうになりながらも後について行く。

ずっと動いていなかったからなかなか上手く体が使えなかった。


｢あぁぁあ！呪いの子が！！！｣
｢祟りじゃぁぁぁあ！｣

嫌な声が聞こえる。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。


無｢うるさいよ。君たち。無罪の子を処罰するなんて最低。僕たちもう逃げるから。｣



ふわっと高揚感がした。
気づくと時透さんに抱き抱えられていた。

どんどん村から遠ざかっていく。
いつのまにかあの声は聞こえなくなっていた。




あとから鬼のことや鬼殺隊のことを教えてもらった。私は手当される中、ずっと家族のことを考えていた。もう帰る場所がない私には鬼殺隊として生きていく道しかない、そう思ったのだ。




あれから時透さんにはなかなか会えなかったけど、私は鬼殺隊として実力をあげていった。


でもどうしても鬼に対して慈悲をもってしまうのだ。裏切られても仲間を殺しても。


あの悲鳴を聞く度に私は昔のことを思い出す。虐められていた私。苦しかったこと。
それを思う度、胸が痛くなった。



でもどうしても時透さんに認められたかった。
だから私は必死に努力した。


…今でも人が怖い。
だってあの嘲笑う人間がいるから。

炭治郎や柱の人達と関わって少しは話せるようになった。でも他の鬼殺隊の人達は話せないけど。



こんな私を救ってくれたのが時透無一郎さん。
だから私はずっとあなたに感謝しています。

だからもっとそばにいたいと願ってしまうんです。


継子なんて夢のまた夢だと思っていた。
でも一緒に任務するなんて言うから嬉しくて、たまらなく嬉しくて。



だから




もっと認められたい

だってあなたが私を信用してくれたから、人殺しと言わなかったから

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