拾陸 ページ18
『私は父さんも母さんも弟も殺してない!なんで誰も信じてくれないの…?』
誰も信用などしてくれない。
指を指しては人殺しだと罵られ、殴られる。
処罰を受けるまではずっと見世物として牢屋に閉じ込められた。
ケラケラと笑う大人たち。
鬼だ鬼だと他人事のように嘲笑う。
…どうして誰も信じてくれないのだろうか
いつもは私ににこにこしてくれた隣の家のおばあさんでさえも、
「気味悪い。はやく処罰しておくれ。もう顔なんて見たくないわ。」
この有様だった。
私のことなどどうでもいいのだ。
はやく人殺しが消えればいいと思うのだ。
私以外は平凡な暮らしなんだ。
あの日から平凡な暮らしを奪われた私は全てを失った。
とうとう明日が処罰の日。こんな世界からおさらばする日。
もうどうでもよかった。だって私が死んでも誰も悲しまないんだもん。
誰から何を言われても私は無表情だった。
悲しかったけど、感情を押し殺してひたすら耐えていた。
「ねぇ」
私は目を見開いた。
そこには人間とは思えない異質ななにかがいた。
爪はするどく尖り、牙が生え、角もある。
目は赤黒くギロギロとしている。髪は長く真っ白な髪だった。
「ふふふふ、人殺しにされちゃうなんてね。私が殺したのに可哀想に。ふふふふ」
自分が殺したと笑うなにか。
私は冷や汗が止まらなかった。
「可愛いわねぇ。私ね、好きな物は残しておく方なの。だから十分に熟してからいただこうと思ってて。ふふふふ」
怪しく笑う彼女。
気持ち悪くてたまらない。耳に残る嫌な笑い声が脳内に響き渡る。
怖くて声が出ない。
「声が出ないの?ふふふ。あなたの苦しそうな顔すごく見ていて気持ちよかったわ。さあもっと苦しみなさい。」
いとも簡単に牢屋の檻を破り、入ってくる。
私は全身震えが止まらず、ただ死を悟った。
「死になさい!ふふふふふふ」
怖くて目を瞑る。
と、嫌な音が辺りに響く。
さっきの女の声がなぜかあたりに響き渡った。
私は恐る恐る目を開ける。
そこには髪の長い人が私を殺そうとした女の首を切っていた。
「く、くそぉぉぉぉっ…なんでわかったんだ!!」
?「もう消えて。」
あのなにかは霧のように消えてなくなった。
私は目の前にいる人に話しかける。
『あ、の…』
上手く声が出せない。
「なに?」
冷たい視線が私に降り注ぐ。
『…』
やはり声が出せない。
怖くて、怖くて
そっと手をさしのべられる
そっと立ち上がる
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蒼凪(プロフ) - チョコミントさん» あ、あ、ありがとうございます……!!!!嬉しすぎます……、、これからもよろしくお願いします( *˙ ˙* ) (2019年10月31日 20時) (レス) id: 963e646612 (このIDを非表示/違反報告)
蒼凪(プロフ) - 桜咲さん» いつもありがとうございます……!!!!これからはめっちゃ無一郎くんが攻めていきます← (2019年10月31日 20時) (レス) id: 963e646612 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミント - 好きです(告白)更新頑張って下さい! (2019年10月30日 19時) (レス) id: 7708edc767 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲 - 続き見られて嬉しいです!頑張ってください! (2019年10月29日 6時) (レス) id: 53e6cd7f1e (このIDを非表示/違反報告)
蒼凪 - 桜咲さん» ありがとうございます!!テストで更新出来なかったのでまだ再開していきますね!! (2019年10月13日 15時) (レス) id: 963e646612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼凪 | 作成日時:2019年10月1日 22時