繰り返される罠(納棺師)(病甘) ページ21
※流血表現注意
社交恐怖症とやらはどうしたのか。
目の前にいる納棺師もといイソップ・カールの表情は恍惚としていて、いつもの彼とは程遠い不気味な雰囲気を醸し出していた。
「イソップ、これ解いて」
「嫌ですよ。逃げるじゃないですか」
縄で固く縛られた自身の両手。
この状況を作り出したのは紛れもなく彼で、何故こんな事になってしまったのか未だに理解が追いつかない。
「逃げないから、解いて」
「はは、はい分かりました。って言って言うこと聞く訳ないじゃないですか。Aさんったらお馬鹿さんですね」
"まぁ、そんな所も好きですけどね"と耳元で囁いた彼に嫌悪感しか抱けない。
私は、ただ解放してほしくて言っただけだ。
彼からの好感を得る為に言った訳じゃない。
こんな狂った空間。たまったもんじゃない。
「はぁ……生きてるAさんはとっても素敵です。素敵ですけど、Aさんの死体は、もっっっと素敵だと思うんですよ、僕。そう思いませんか？思いますよね？」
「は、何、言ってー……」
何言ってるの？という言葉は、最後まで言わせて貰えなかった。
左胸に突き刺さっているペティナイフは、なんだかとても非現実的だ。
彼に刺されたという事実があまりにも突飛で、反応も出来なくて、ただ呆然と痛みに向き合った。
悲鳴をあげるなんて可愛い事をする余裕も無く、言葉になっていない言葉が口から漏れ出す。
「ほら、その表情。やっぱり素敵です。」
左胸から流れ出る血をひとすくいしたイソップは、私の唇に塗りたくった。
まるで口紅みたいに 丁寧に塗られていく自身の一部に、吐き気がする。
いきなりマスクをずらしたかと思えば、今度は塗られたばかりの私の唇に彼が食らいつく。
最初こそ じっくりと丁寧に唇を舐めていたが、段々と荒々しく強引になっていくそれはキスなんてロマンチックなものとはかけ離れていた。
「っーは……貴方が亡くなるまで、時間がまだありそうですね」
"もう少し、楽しみましょうか"と心底嬉しそうに言うイソップとこの状況は、やっぱり狂ってるとしか思えない。
繰り返される罠
(大丈夫、ちゃんと美しいままで残しますから)
ガラスの靴は投げられた(幸運児)(シリアス)→←ある少年の行動2(泣き虫)(甘)
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刹那 - 面白かったです!もし宜しかったら曲芸師のを読んでみたいです！よろしくお願いします (2019年9月21日 3時) (
レス) id: 546156cbf5 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - リクエスト失礼します…！宜しければオフェンス君のが読みたいです…>< (2019年9月14日 15時) (レス) id: a15a9a8ce2 (このIDを非表示/違反報告)
ニラ - はじめまして！いつも楽しみに見させてもらっています！リクエストでイライとノートンの劇甘を見てみたいです...！ (2019年8月29日 23時) (レス) id: 1e970fa705 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ほわいとさん» 読んで下さりありがとうございます！ロビー君に対しての個人的な願望を文字に起こしたものですが、キュンときていただけたようで良かったです！こちらこそありがとうございます！ (2019年8月25日 1時) (レス) id: ec6a05673d (このIDを非表示/違反報告)
ほわいと - 新作読みました…！かわいすぎてもうニヤけが止まらなかったです！子供らしくもありつつ男らしくもあるロビーくんにキュンときました笑ありがとうございました！ (2019年8月25日 1時) (レス) id: 2392930ced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作成日時：2019年2月12日 23時
