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「______は？」
唖然、とした顔を精一杯の間抜け面にして、ルシアが惚ける。
何言ってんのか分からない、と極限まで表現したような顔。
私はただ、震える唇を噛み締めて、ルシアの手を握りしめていた。
「……い、いやいやいや、何、言ってんのお前。え？お前自分の世界に帰りたくないのかよ？」
『……帰りたいです』
「じゃあ何してんだよ？早く潜んなきゃ」
______なんで？
『ッでも！！帰りたくない！！』
ぐらり、と。
何かに酷く苛ついて、そう叫んだ。
ルシアが一瞬ビクッと肩を揺らす。
だけど、私が一番自分の声に驚いていた。
何を、言いたいのだ私は。
何で、こんなに苛立っているんだろう。
その疑問の答えは、困ったようにこちらを見つめるルシアを見てたどり着いた。
______あぁ、そっか。
私は、ルシアと一緒にいたいんだ。
ルシアと一緒にいたいから、そんな素振りをかけらも見せないルシアに猛烈に腹が立ったんだ。
なんて。
自分勝手な、思考。
すぐに自嘲気味な笑みが浮かぶ。
目の前のルシアは、驚いて、目を見張っていた。
ほら、ルシアを困らせた。
私が我儘なんか、言ったから。
『……なんでも、ないですよ！ルシア。すみません、少し感情が乱れているようで。ダメですね、時間もないのに』
頬を落ちる涙を拭って、足を踏み出す。
そうだ、震えるな、泣くな、困らせるな。最後は、笑って別れたい。
「A、」
『……すみません！そろそろ時間切れですね、余計な時間を、』
「______A」
鏡まであと一歩、というところでふわりと暖かい温もりに包まれた。
……後ろから、抱きしめられている。
「……A、お前は自己完結するところがある。勝手に俺の感情を測って、先走りする。その癖、直したほうがいい」
……そう言う割には、酷く愛おしそうな、声ですね。
「俺は困ってないよ。帰りたくない理由があったんだろ？それは俺には分からないから。俺も、俺の意見を押しつけて悪かった」
その、帰りたくない理由は、貴方ですけどね。
鈍いルシアにそっと笑みをこぼして、私は彼の腕を解く。抱きしめられた感触を、脳内に焼き付けて。
『______いえ、いいんです。帰りますね、ルシア。貴方に会えて良かった』
精一杯の、笑顔を向ける。
ルシアは一瞬息を詰めて、ふわりと笑った。
「あぁ、俺も」
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麗夜 - 最高です…！！ツイステキャラみんな好きなんですが、ルシア君が出てきてから一瞬で心臓に矢がこう…トスッと(？)、先の展開がまったく読めくて、最後までドキドキしましたが、ラストシーンの夢主ちゃんとルシア君が……！！ハピエンが欲しいです、長文失礼しました (11月24日 22時) (
レス) id: 15566df1e2 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 好きです。ハッピーエンドを下さい (9月3日 21時) (レス) id: 3a2d829bf4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - ルシアァァァァァァ！！！！ガチ泣きしました好きです。 (5月26日 21時) (レス) @page16 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
- 泣きました。好きです (2022年12月26日 19時) (レス) @page16 id: de2d7f656a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸 - とても良かったです！本当に感動とドキドキさが凄かったです。素晴らしい作品をありがとうございます！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2022年12月3日 9時) (レス) @page16 id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白桜 | 作成日時：2020年10月17日 18時
