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『ちょ、ちょっと待ってください、ルシア、』
私の静止の声も聞かず、ルシアは私の手を引いて立ち上がらせるとズンズンとドアに向かう。
「何」
『ど、どこ行くんです？それに、ルシア、』
「行くのはおんぼろ寮。俺のことに関しては、今説明してる暇はない。あいつらがパーティーの準備に気を向けている隙に行くぞ。バレたら面倒くさいことになる」
少しもこちらを振り返らずに、ルシアは部屋を出る。
冷静に見せていながらも、酷く焦っているようなその印象に困惑する。
『も、元の世界に帰るってこと……？いきなりすぎじゃないですか？みんなに挨拶してからでも、』
「……お前、それですんなり帰れると思ってんの」
スッと低くなった声に、思わず詰まる。
『いや、お、……思わないですけどっ！それでも唐突ですって』
「……今日しかないんだよ。今日しか、なかった。今を逃したら、一生帰れない」
『え』
今日しかない？……それは、ルシアが今日までしか生きられないからだろうか。
……今日までしか、生きられない。
思わず沈んだ私に、ルシアがボソッと付け加える。
「……あと、転移もできない。今は、出来るだけ魔力を使いたくない」
ギュ、と手に力が篭る。
……どういう意味か、よく分からなかった。
そのまま無言で廊下を歩き、ロビーに来た。
「……あとは、鏡舎に向か」
「……二人とも、どこへ行くんだい？」
聞こえた声。空気が凍った気がした。
振り返れば、丁度ロビー横の部屋から出てきたらしいリドルが、怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
「もう夜だよ。それに、ルシアの誕生日パーティーの準備もそろそろ終わる。明日は授業だから今日の予定だと言っただろう？そろそろ始めるから、僕は君たちを呼びに行こうと思っていたのだけど」
チッ、とルシアが小さく舌打ちをする。
『い、いやー、外の空気が吸いたいなぁ〜なんてー』
そっと誤魔化せば、リドルはますます訝しそうに眉を潜めた。
「なら、そこのベランダを使えばいいだろう。どうしてわざわざ鏡舎へ行く必要があるんだい？」
やばい。今の言い訳は不発だった。しかも鏡舎に行くというのも聞かれたらしい。
タイミングが悪かった。
リドルにこのまま行かせてくれる気配はない。
焦る私に、ため息をついたルシアが口を開いた。
「______帰るんだよ、こいつはもう」
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麗夜 - 最高です…！！ツイステキャラみんな好きなんですが、ルシア君が出てきてから一瞬で心臓に矢がこう…トスッと(？)、先の展開がまったく読めくて、最後までドキドキしましたが、ラストシーンの夢主ちゃんとルシア君が……！！ハピエンが欲しいです、長文失礼しました (11月24日 22時) (
レス) id: 15566df1e2 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 好きです。ハッピーエンドを下さい (9月3日 21時) (レス) id: 3a2d829bf4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - ルシアァァァァァァ！！！！ガチ泣きしました好きです。 (5月26日 21時) (レス) @page16 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
- 泣きました。好きです (2022年12月26日 19時) (レス) @page16 id: de2d7f656a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸 - とても良かったです！本当に感動とドキドキさが凄かったです。素晴らしい作品をありがとうございます！｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2022年12月3日 9時) (レス) @page16 id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白桜 | 作成日時：2020年10月17日 18時
