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見つからない。
見つからない。
ルシアの呪いの解き方が、見つからない。
一週間経った今でも、今日まで仕事も断ってずっと図書館の本を漁り続けているのに、それらしきものが見当たらない。
リュードリクスの一族について書かれている本はあった、けれど、書いてあったのはその容姿と能力のみ。
呪いなんて文字は、一つもなかった。
『どうして……』
焦燥感に駆られるままに本をめくっていく。
早く早く、見つけなければ。のんびりなんてしてられない。いつルシアが呪いで死ぬのかわからないのに。
『これじゃない、これじゃないっ……！』
次々と私の周りに本が積み上がっていく、だけど片付ける余裕なんてない。その時間が惜しい。
「……あの、大丈夫……？」
ハッと目をあげれば、そこには薄紫の髪を揺らした、美しい少年が立っていた。
『あ、』
「あ、ごめんね、急に声をかけて。僕は一年のエペル・フェルミエといいます。なんだか大変そうだし、僕もお手伝いするよ」
手伝いは、ありがたいけれど。
……いや、今はありがたくその厚意を受け取ろう。
『ありがとう……じゃあ、リュードリクスの一族についての本、探して積み上げていってもらってもいいですか』
エペルが私の言葉にほんの一瞬だけ目を見開いたけれど、すぐさま本に目を戻した私は気づかなかった。
「……けっぱるぞ！」
小さく奮起したその声すらも、意識の彼方に消えていった。
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「……の、あの！！」
耳元で響いた大きな声にびくりと体を震わせれば、すぐそばでエペルが心配そうにこちらを覗き込んでいた。
『あ、はい？』
「もうすぐ図書館閉まるよ？そろそろ帰ったほうが……」
周りを見渡せば、確かに私たちだけだった。少し没頭しすぎたか。
『あ、ごめん！片付けは私がやるから、もう帰っていいよ』
「ううん、片付けは僕がやっておいたよ」
その言葉に驚いて見れば、あれだけ山積みになっていた本の山が綺麗に本棚に並べられていた。
うわ、申し訳ない。
『ありがとう』
慌ててお礼を言うと、エペルは焦ったようにブンブンと首を振った。
「いんや、気にしねで。……あ、き、気にしないで」
やってしまったとばかりに口に手を当てるエペルに、思わず笑う。
「あ、わ、笑わないでよ。……じゃあ、帰ろっか」
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みかん(プロフ) - ルシア君ﾏｼﾞﾃ好きぃ…。天才ですか！？ (2022年12月18日 23時) (
レス) id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - マジ、ルシア君殺さないでぇ……。まだ、続き見てないけど…。まだ、先見てないのに号泣すぎてやばい。。 (2020年10月25日 22時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - 君が泣くなら私も泣く、ってどうゆう脅しよ。 (2020年10月18日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2020年10月16日 17時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Airu(プロフ) - 53話マジックペンではなくマジカルペンでは？ (2020年10月14日 11時) (レス) id: a37b93bc71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白桜 | 作成日時：2020年9月3日 21時
