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『……ん、』




ふと目を覚ます。窓を見ると、まだ夜中だ。




『あれ、ルシアは』




ベッドを見ると、いつも起きているはずのルシアがいない。水でも飲みに行ったのかな。




『私も行こう』




丁度私も喉が渇いたところだ。水を飲みに行くついでにルシアも探してみよう。




ベッドから降りて、部屋を出る。流石に誰も起きていないようで、廊下は酷く真っ暗だった。




『いや怖』




戦々恐々と階段を降りていくと、誰もいないはずのロビーで、ベランダのカーテンがゆらゆらと揺れていることに気付いた。




『……?誰かの閉め忘れかな』




リドルに怒られるぞ。閉めといてあげよう。




階段を降り、ベランダに近づく。




_____ふと、ベランダから声がすることに気がついた。




「……それで、間に合うのか」




「さぁね。無理矢理にでも間に合わせるだけだ。マレウスは気にしなくていい」




「……そうか」




マレウス?




彼にはこの世界に来てからは一回も会っていない。




もう一人はルシアの声だ。




ルシア、マレウスと知り合いなのか。一瞬そう思ったけれど、そう言えばヴィルがルシアは茨の谷出身みたいなこと言ってたな。




私は聞いてはいけないと思いつつも、そのまま耳を傾けてしまう。




「それで、体のほうは」




……体?




私の疑問をよそに、そう問いかけたマレウスにルシアが苦笑した気配がした。




「お前は心配性かよ。気にするなって言ってるだろ。そもそも俺たちは_____待て、誰がいる?」




一瞬にしてピリッとした空気となって、二人の影を作っていたカーテンがバッと引かれる。




いや気づくの早すぎィ!




月明かりを背に、ルシアの唖然とした顔が見える。




「なっ、おま……何してんの」




『い、いや〜目が覚めちゃった、的な?』




「いや的な?じゃないから。盗み聞きなんてするなよ」




ため息をついたルシアに、うぐっと言葉に詰まる。




「ほう、お前がルシアの愛し子か」




その時、じろじろと私を見ていたマレウスが、いきなり興味深そうに呟いた。




……ん?へ?




『はっ?愛し子?』




なんだその突拍子もない単語。




「なっ、おま、ちが、やめろ!」




カァァッと赤く染まったルシアの顔に、マレウスがくつくつと笑う。




「クク、なるほど面白い。お前のそんな顔など初めて見たな」




「いいからさっさと寮に帰やがれ!」




蹴っ飛ばす勢いでマレウスを追い出したルシアは、ぐりんと私を振り返って叫んだ。




「お前も早く寝ろよ!」




ハイハイすみませんね。

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みかん(プロフ) - ルシア君マジテ好きぃ…。天才ですか!? (2022年12月18日 23時) (レス) id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - マジ、ルシア君殺さないでぇ……。まだ、続き見てないけど…。まだ、先見てないのに号泣すぎてやばい。。 (2020年10月25日 22時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - 君が泣くなら私も泣く、ってどうゆう脅しよ。 (2020年10月18日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2020年10月16日 17時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Airu(プロフ) - 53話マジックペンではなくマジカルペンでは? (2020年10月14日 11時) (レス) id: a37b93bc71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白桜 | 作成日時:2020年9月3日 21時

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