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『ただいまです』
ハーツラビュルに帰ると、部屋には既にルシアがいてベッドでゴロゴロと寛いでいた。
「おかえり。お前ローズハートに一言ぐらい言ってけよ。さっきの出来事が出来事だろうが。すごい心配してたぞ」
あ、忘れとった。
後でリドルのもとに向かうと告げて、私は自分の机に向かう。
机の上に乗っている依頼の手紙を確認していると、ふとルシアの低い声が聞こえた。
「_____おい、」
『え、なんですかルシア』
初めて聞くその声に驚いて顔を上げる。
すると、いつのまに移動したのかすぐ近くに立っていたルシアが私の右腕をグイッと持ち上げた。
『ッ、なんですか』
「……お前、これ、誰にやられた」
彼の綺麗な瞳が凝視するのは、イデアに掴まれて赤くなった私の手首。
ハッと気付いて隠そうとするも、ルシアの力に敵うわけもなく、腕はピタリとルシアの眼前に固定されたまま。
「サバナクローか、スカラビアか、ディアソムニアか。あぁいや、イグニハイドにもお前にご執心の奴がいたな。オクタヴィネルにもいるか。おい誰だか言えよ、一発ぶん殴ってきてやる」
怒りに染まった顔で、私を睨む。
こんなに怒った顔を見るのは、初めてだ。
『ルシア、大丈夫ですから』
「何がだよ。握られた時痛かっただろ。迫られた時怖かっただろ。そんなんで何が大丈夫だ。つか俺の腹が収まらん」
チッ、と舌打ちすると、おもむろにルシアは私のすっかり赤くなった手首をそっと両手で包んだ。
そして目を瞑り、短く何かを唱える。
するとふわり、と手首が微かに暖かくなり、しばらくしてルシアの手が外れると、そこにはもうなんの痕も残っていなかった。
『え、すご』
「初歩。本に書いてあっただけだ。……で、A。一体お前に痕をつけたのは誰？……説教だけにしてやるから」
少し渋る様子を見せると、ルシアは諦めたように譲歩した。あ、でも説教はするのね。
『……イデアさんだよ、私がちょっと地雷踏んだ』
「あ？シュラウド？……アイツも危険だったか、リスト入れとこ」
いやリストってなんやねん。
「じゃあお前ちゃんとローズハートに会いに行けよ。すぐ帰ってくるから。じゃ」
そう言って片手を上げ、ひらりと瞬きの間に姿を消したルシア。
だから、きっと気のせいだったのだろう。
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_____その腕輪に、僅かにヒビが入っていたなんてことは。
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みかん(プロフ) - ルシア君ﾏｼﾞﾃ好きぃ…。天才ですか！？ (2022年12月18日 23時) (
レス) id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - マジ、ルシア君殺さないでぇ……。まだ、続き見てないけど…。まだ、先見てないのに号泣すぎてやばい。。 (2020年10月25日 22時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - 君が泣くなら私も泣く、ってどうゆう脅しよ。 (2020年10月18日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2020年10月16日 17時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Airu(プロフ) - 53話マジックペンではなくマジカルペンでは？ (2020年10月14日 11時) (レス) id: a37b93bc71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白桜 | 作成日時：2020年9月3日 21時
