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え
一瞬の隙。固まった私の顎を掴んで、ケイトの唇が私のそれに触れる_____
直前、後ろから伸びてきた手が私の唇をふさいだ。
「それは流石にケイト先輩でも無理っすね。ほんとーに、油断も隙もねぇ」
鼓膜を揺すったのは、さっきと変わらず静かに怒りを含んだエースの声。しかしその矛先は、今はケイトに向かっているらしかった。
「本当だよ、ケイト。Aにキスをするのは、寮長であるこの僕の役目だろう？」
「いや、ここは俺が行くよ。寮長の出番は最後って相場が決まっているからな」
『……リドル、トレイ先輩』
いつのまにかそばにいた2人が、読めない笑みを浮かべて私を見ている。なのに目だけが、粘ついた闇に染まっていた。
「いや、待ってくださいリドル寮長、トレイ先輩！ここは自分が、Aに口づけします！」
『……デュース』
……君もか。
誰一人抗えることもなく、ユニーク魔法に支配されて、目の色を変えて、私に迫る。
『……あ、監督せ、』
「いやいやリドル先輩達、ここは同郷の僕が行くべきでしょう！ね、A？Aも、僕がいいでしょ？」
デュースの影から出てきた監督生。既にない、瞳のハイライトに焦りが募る。
なんだろう、この、妙に囲い込まれるような感覚は。今にも襲いかかる準備はできているのに、確認を、同意を取ろうとしているようなこの空気は。
「あーもう面倒くさい、全員でやればいいんじゃね？」
……は？
エースの言葉に思考が停止する。
何、言ってんだこいつは。
目を剥いた。こんな提案にみんなが賛成するはずなんてないと思った。
……それ、なのに。
「あ、それいいじゃん！ナイスエース！」
「ふむ、それが妥当かな」
「俺も賛成だ」
「俺も俺も〜！」
「俺もいいぞ！」
みんなの解決！というような晴れやかな顔が恐ろしい。でもその前に、今から私を襲おうというこの状況に、誰一人なんの疑問も抱いていないことが、なによりも恐ろしかった。
「じゃあ俺唇もーらいっ」
グイッと顎を持ち上げられて、後ろからエースの唇が間髪なく私の唇を塞ぐ。生暖かい舌が、遠慮なく私の口の中に割って入ろうとする。
させない。絶対に、こんな形で奪われてたまるか。
口を開けたら終わり。かと言って、息をするのも難しい。だんだん息苦しくなってくるのに、エースとのキスは未だ終わりが見えない。
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みかん(プロフ) - ルシア君ﾏｼﾞﾃ好きぃ…。天才ですか！？ (2022年12月18日 23時) (
レス) id: 35aefc2ecc (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - マジ、ルシア君殺さないでぇ……。まだ、続き見てないけど…。まだ、先見てないのに号泣すぎてやばい。。 (2020年10月25日 22時) (レス) id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - 君が泣くなら私も泣く、ってどうゆう脅しよ。 (2020年10月18日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2020年10月16日 17時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Airu(プロフ) - 53話マジックペンではなくマジカルペンでは？ (2020年10月14日 11時) (レス) id: a37b93bc71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白桜 | 作成日時：2020年9月3日 21時
