サバゲー狂がコナンの世界にトリップしたら２

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『……おっそ。』


約束の時間。１１時を１５分ほど回っても、湯葉は姿を一向に見せなかった。

１０分前についていた俺は、合計２５分も待たされていることになる。

何やってんのあいつ。


“_____そんなピリピリすんなってぇ。ほら周りの奴らもなんかお前のこと避けてんぞ？”


んなこと知ってる。


(イケメンなのに機嫌悪そ〜)って物語る視線がさっきからズサズサ突き刺さってるもん。


もはや「あの人かっこいい〜！……でもめちゃくちゃ不機嫌そうだね……。」って声が聞こえるし。


でも、これは俺悪くないし。自分から誘ってといて遅れる湯葉が悪いから。


“_____もっと余裕持てよ。ほら、漫画みたいに《待った？》《いいや、今きたとこ》ってやれよ”


何それ無理。恋人同士でもないのに、約束破るやつにそんなこと言える心の広さ俺持ってない。


“_____でもお前別に慣れてねぇわけじゃねぇだろ？”


……まぁ、そうだけど。


幼なじみが俺との待ち合わせには必ず遅刻してくるお方だったせいで。


でも別に湯葉はあいつじゃないし。


狭量だと言うなら言え。俺は会ったばっかの女に優しくするほど軟派じゃない。


あ、蘭達は別だけど。だってキャラだし。


「っ！ごめん！待ったかしら！？」


やっと聞こえた今朝も聞いた声に、俺は顔を歪めて振り返る。


『当たり前だろ馬鹿。何してたんだ。』


そう問うと、走ってきたのか乱れた髪を直しながら湯葉は顔をしかめた。


「……女にはいろいろあるのよ。遅れたことは本当に謝るわ。でも、ちょっと冷たすぎない？そんな言い方しなくてもいいでしょう。」


『へぇ。そりゃ失礼。嘘言った方が良かったか？今きたとこだ。』


くるりと方向転換してさっさと歩き出す。


自分でもまぁ、普通に態度悪いし、ちょっと酷いかと思わなくもない。でも一回甘やかすと何回も繰り返すんだ。俺はそれを幼なじみで学んだ。


態度直して欲しけりゃそれなりの態度示せ。あんな謝り方では一回会っただけの人間には通じない。


うん、普通に面倒くさいね、俺。


慌てたように追いかけてきた湯葉は、気まずげに口を開いた。



「本当にごめんなさい。私からお願いしたのに配慮が欠けてたわ。つい、昔と同じように振る舞ってしまって……。」


『何、お前幼なじみでもいんの？どうでもいいけど、あんま迷惑かけんなよ。もう遅いけど。』


「……えぇ、気をつけるわ。」



そう言ってそいつは、少し悲しげに笑った。

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