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ボサボサの髪をワックスでセットしながら、俺は一つため息を落とす。
“_____やー、大胆な連中だよなぁ。俺が散々脅しといたのにも関わらず、敵陣に乗り込んでくるとは”
なぁA?
『今来られると困るんだけどなぁ。まだ俺は組織に、完全に信頼されてないんだから。』
最近、よく視線を感じる。
それは毎日でこそないが、まぁ十中八九疑ぐり深いジンが仕掛けた監視の目なのだろう。
まぁ今日は偶々いないみたいだが、これがいる日だったらと考えると頭を抱えこみたくなる。
俺へのジンの信頼がマイナス通り越してブラジル行くじゃん。
『どうしたもんかねぇ……。』
また深いため息をつく。
“_____今頃絶賛家探し中だろうな。おいA、今回お灸据えとかねぇと2度目がやってきて、お前が死ぬぞ”
『分かってるっての。』
珍しく真面目なトーンのギョーザに、思わず遠い目をしてしまう。
『はぁ〜〜〜。』
3度目の深い深いため息を落とし、ワックスの付いた手をゴシゴシと洗う。
『そろそろ1分経ったかな。』
まぁあの二人のことだから念に念を重ねて1分も時間かけてないだろう。
全く、今日はマジでビビる日だ。
銀行に組織の仕事の成功報酬受け取りに行ったら服部達と通りすがるわ、
疲れて寝てたらチャイムが鳴って宅急便かと思ったら服部達だわ、
慌てて監視をチェックしたらいなくてちょっと安心するわ……。
今日ほんとに心臓が落ち着かないんだけど。
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洗面所を出ると、彼らはリビングで服部の携帯を見ながら楽しそうに喋っていた。
変わり身早ッ。
若干呆れつつも、彼らに声をかけてお昼ご飯を用意して食べた。
そのあとは色々話をしたりして、時間にして1時間くらい。
終始警戒されていたのは感じたが、まぁ無難に過ごした。
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「じゃあまたね、Aお兄さん!」
「楽しかったで!」
笑顔の彼らを玄関まで送る。
俺は服部が扉を開けて外に出たところを見ると、玄関にいるコナンをちょいちょいと呼び寄せた。
「?なーに?」
少し緊張を顔に出しながらも、無邪気さを装って近寄るその肩に手をかけ、耳元で囁く。
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『許可なく俺の部屋を探るなんて感心しないなぁ。コナン君。』
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顔が強張る、体が強張る、ヒュッと呼吸が引きつった音がした。
「……え、あ……。」
『バイバイ、
俺はそっと彼の背を押し出した。
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れいん。(プロフ) - え、どうしようこの夢主君めちゃ好みなのだが。好きですだいすきです(唐突な告白)うんもう好きですはい() (2020年5月21日 0時) (レス) id: 444283ccfe (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 灰虚さん» 今確認して気づきました。本当にナチュラルに赤井さん呼びしてましたね……笑教えてくださりありがとうございます。これからもこの作品を読んで頂けたら嬉しいです。 (2020年4月19日 12時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
灰虚 - 53の主が帰るときに赤井さんと言っているのは仕様ですか? (2020年4月17日 12時) (レス) id: 62887d35ec (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - あ〜...凄い好きです。本当に大好きです。言葉に出来ません...世界観も。夢主も。うん、好き()エルディアブロ...スペイン語では「悪魔」て言われるやつっすねぇ...良いわぁ。更新頑張って下さい!!応援してます!!! (2020年3月11日 23時) (レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
夕柳(プロフ) - はぁあああああああ!!更新ありがとうございまア゙ア゙ア゙ア゙ア゙す!! ゆっくりでいいんで!白桜さんの気が向いた時でいいんで!更新してくださると全私が喜び回ります!超大好きですこの作品。 (2020年3月4日 20時) (レス) id: a9c3f82e64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桜 | 作成日時:2019年7月8日 0時