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『…コナン君。この子達は誰かな?』
俺はあえてコナンだけを見つめながら、口調冷たく問いかける。
寝ぼけていたはずの俺は今、ふつふつとした苛立ちを覚えていた。
別に俺はこいつと1対1で攻防戦を繰り広げられるとは思っていない。コナンサイドには赤井さんもいるし、安室さんもいる。
そして俺は、今日をきっかけにコナンとのピリピリとした争いを楽しめると思っていた。
それなのに。
こいつが俺とのタイマンに巻き込んだのは、赤井さんでも安室さんでもなく、まだ年端もいかない小学生。
彼らのその表情は、まるでお遊びに行く時の高揚感そのままだ。
_____何を企んでいる?
睨みつけるようにコナンを見つめると、彼は唇を引き上げて挑戦的に笑った。
「どうして怒ってるの?Aお兄さん。」
何故俺が苛立っているのか。
その理由は、おそらくコナンとタイマンできると高揚していた思いを踏みにじられた悔しさと、小学生を巻き込むことへの忌避感だ。
だがそれを、彼らに言うわけにはいかない。
『いや、さっき起きたばかりでね。俺は寝起きが悪いんだ。』
にこりと作り笑顔を浮かべれば、コナンはふぅんと納得したように頷いた。まぁ十中八九そのプロ並みの演技だろうが。
「Aさん、家にお邪魔してもいい?僕ら遊びに来たんだ。」
『あぁいいよ。まぁ特に何もないが。』
俺が玄関ドアを大きく開けると、子供達は「お邪魔しまーす」と元気に言いながらパタパタと家の中に入っていった。
「あ、そういえばAお兄さん。」
『ん?』
ドアを閉めた俺に、最後尾にいたコナンが満面の笑みで振り返った。
「この後、僕達の家にも来てね!」
……は?
『え、おいちょっと、』
伸ばした手は空を切り、コナンはあっという間に背を向けてリビングの奥に行ってしまった。
……拒否権なしかよ。
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れいん。(プロフ) - え、どうしようこの夢主君めちゃ好みなのだが。好きですだいすきです(唐突な告白)うんもう好きですはい() (2020年5月21日 0時) (レス) id: 444283ccfe (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 灰虚さん» 今確認して気づきました。本当にナチュラルに赤井さん呼びしてましたね……笑教えてくださりありがとうございます。これからもこの作品を読んで頂けたら嬉しいです。 (2020年4月19日 12時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
灰虚 - 53の主が帰るときに赤井さんと言っているのは仕様ですか? (2020年4月17日 12時) (レス) id: 62887d35ec (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - あ〜...凄い好きです。本当に大好きです。言葉に出来ません...世界観も。夢主も。うん、好き()エルディアブロ...スペイン語では「悪魔」て言われるやつっすねぇ...良いわぁ。更新頑張って下さい!!応援してます!!! (2020年3月11日 23時) (レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
夕柳(プロフ) - はぁあああああああ!!更新ありがとうございまア゙ア゙ア゙ア゙ア゙す!! ゆっくりでいいんで!白桜さんの気が向いた時でいいんで!更新してくださると全私が喜び回ります!超大好きですこの作品。 (2020年3月4日 20時) (レス) id: a9c3f82e64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桜 | 作成日時:2019年7月8日 0時