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「そういえば、知り合いの警察官に聞いたのですが。」
博士が持ってきてくれたカレーと、赤井さ…沖矢さんが持ってきたカレーをご飯に半々にかけて美味い美味いと食っていると、同じくカレーを半々にかけて食っていた沖矢さんがふと声を発した。
子どもたちがキャッキャキャッキャとはしゃいでいる中でもよく通ったその声は、みんなの視線を一斉に集める。
「貴方を現場で見たことがある、と。」
思わず息を詰めた。しんと静まり返ったリビングで、幼気な本物の小学生だけがキョトンとする。
「……どういうこと?」
コナンが訝しげに問う。
待て、一体なんの話だ?
ってか現場ってなんだ。
高坂の依頼の時の話か?沖矢さんの正体は赤井さんだ。それなら知り合いの警察官ってのは嘘でこれは自分の体験をコナン達に_____
待て、俺
頰に流れる汗が冷たい。
伏せた顔が上げられない。
そうだ。そうだ。そうじゃん。
今日初対面である沖矢さんが赤井さんだって、俺が知ってるはずがない。
つーかそれ以前に実際に存在してたとしても知り合いの警察官とやらが俺のこと知ってるはずないじゃん。
それに、“現場”ってワードが発破の可能性だってある。
そんなこと分かりきっていたはずなのに、俺は悩んだ。
それによる今のこの沈黙は、俺が “現場にいた” っていうワードに心当たりがあるという何よりの証。
そしてその心当たりのある状況は、俺の仕事に繋がっている。
そのことを加味すると、俺が頑なに仕事内容を言わないことも相まって、そこからまた線を引くことができてしまう。
あの場にいた、彼らの敵である黒の組織へと。
このまま俺が仕事のことを言わなければ俺が黒の組織と関わりがあるっていう疑いがグレーから限りなく黒に近くなる。
迂闊だった。
赤井さんは俺の仕事モードを見ている。俺に対する不信感は、ぶっちゃけコナン達よりも大きい。
_____やばい。
嵌められた。
焦りが募る。
何か言わなければと思うのに、口元が震えて何も出てこない。
何か、何か言わないと、俺は完全に彼らの敵となってしまう。
そして、俺の中のもう一人の俺が呟いて、
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れいん。(プロフ) - え、どうしようこの夢主君めちゃ好みなのだが。好きですだいすきです(唐突な告白)うんもう好きですはい() (2020年5月21日 0時) (レス) id: 444283ccfe (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 灰虚さん» 今確認して気づきました。本当にナチュラルに赤井さん呼びしてましたね……笑教えてくださりありがとうございます。これからもこの作品を読んで頂けたら嬉しいです。 (2020年4月19日 12時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
灰虚 - 53の主が帰るときに赤井さんと言っているのは仕様ですか? (2020年4月17日 12時) (レス) id: 62887d35ec (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - あ〜...凄い好きです。本当に大好きです。言葉に出来ません...世界観も。夢主も。うん、好き()エルディアブロ...スペイン語では「悪魔」て言われるやつっすねぇ...良いわぁ。更新頑張って下さい!!応援してます!!! (2020年3月11日 23時) (レス) id: 847ebd8ac8 (このIDを非表示/違反報告)
夕柳(プロフ) - はぁあああああああ!!更新ありがとうございまア゙ア゙ア゙ア゙ア゙す!! ゆっくりでいいんで!白桜さんの気が向いた時でいいんで!更新してくださると全私が喜び回ります!超大好きですこの作品。 (2020年3月4日 20時) (レス) id: a9c3f82e64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桜 | 作成日時:2019年7月8日 0時