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結局あれから食材買いに行くの怠かったので、どっかに食べに行こうと思い、現在店を探しています。
『イタリアン……、いや、重いか。んーでも焼肉って気分じゃないし、うどんでもないんだよなぁ……。』
キョロキョロと周りを見渡しても、“これだ” と思う飲食店がない。
俺今そんなガッツリな気分じゃないの。もっと即行で食べられるようなカフェとかがいいの。
『ん……?……いや、いやいやいやいや。』
危ねぇ1瞬入ろうとしちゃったよ。
確かに丁度良いけどさ、入ったら面倒くさそうだし。
俺は目に入った某喫茶店の看板を見ないフリして、さっさと通り過ぎる。
そして今回は安室さんに見つからなかったことにホッとする。
前回はお初だったのに何故かすごい警戒されてたし。顔にはあまり出てなかったけどわかるってあんなピリピリされたら。
俺飯は味わって食べたい派だから、ちょっと今日は遠慮したい。
『はぁ、どこ行こうか……。』
そう、ボンヤリしながら歩いていたのが悪かった。
_____ドンッ!
突然腹部に走った衝撃に、余所見していた目を反射的に元に戻す。
短い悲鳴とともに、俺にぶつかったらしい女の子がバランスを崩して倒れかけていた。
俺は素早く腕を伸ばし、彼女を襲う衝撃を殺すためにそっと柔らかく彼女の腰と肩を受け止める。
慣性に揺れる切り揃えられた髪にカチューシャ。頭を押さえる彼女に、どこか既視感を覚える。
あれ……?
「ちょっとアンタ!どこ見てんのよ!?」
考え込んでいた俺を彼女が怒りの形相で振り仰ぐ。
その瞬間、俺は思わず目を見開いた。
_____鈴木園子。
固まる俺を前に、俺を見た園子も唖然と口を開く。
そして、何故かボンッと赤くなった。
「園子〜!大丈夫〜!?」
近くから聞こえた声に焦る。
園子と一緒にいる女の子なんて、1人しかいない。
『すみません、余所見をしていて……。お怪我はありませんか?』
一刻も早くここから退散したい、その一心で園子を立たせて声をかける。
大丈夫だと言ってくれ、そしたら俺はすぐに帰るから。
「……あ、だ、大丈夫、です、けど……。」
園子らしくないしどろもどろな呟きに頷いて、即行逃走を図る。
_____だが。
ぐいっと園子によって引かれた袖と。
「えっと……?」
蘭のこちらを伺う目と。
「Aお兄さん……?」
唖然としたコナンの声に。
俺は全てを諦めて、引き攣った口端を無理矢理笑みの形に引き上げた。
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あごしわ - 常に周囲を警戒(サバゲー狂特有) 一ミリも隙がない(サバゲー狂特有) 強烈な殺気(サバゲー狂特有) (2020年1月3日 5時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 白桜さん» 続編移行、初めての時はよく分からないですよね。とても面白いと感じる作品なので、これからも頑張って下さい (2019年7月8日 0時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 続編登録いたしました、申し訳ありません。やり方がよく分からず……。拙い作品を読んでくださりありがとうございます。機械には若干相入れなさを感じます……。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 続編が登録されていないのか、2に移動できません。いつも楽しませてもらってます。更新頑張って下さい (2019年7月7日 23時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
山姥拓海(プロフ) - 早く続きが見たいですね!更新頑張ってください (2019年7月6日 21時) (レス) id: e2c2af4155 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桜 | 作成日時:2019年5月21日 19時