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「あ、兄貴。流石に朝からチャカはマズイですぜ。」
「分かってる。一応サイレンサーはつけてんだ、気づく奴は早々いねぇよ。いたとしてもお前のチャカでお陀仏だ。」
「へ、へぇ。」
……。
く ろ ず く め の そ し き や ん。
壁を曲がれば現場に着くと思った瞬間に聞こえてきた声にピタリと足を止める。
着く前に分かったよ。ウォッカの特徴的な話し方で分かったよ。
やばいこれバレたら問答無用で殺されるやつや。
「さて……。もう1人を片付けるか。」
バン、と音がして。
俺の足元ギリギリに銃弾が撃ち込まれた。
……え、何。ジンって超能力者なの?
俺が顔を強張らせていると、ジンの温度のない声が響いた。
「さっきからコソコソしやがって。よほど死にてぇらしい。」
いや今着いただけだし。てか着いてもないし!
どうする俺。このまま逃げられもしないだろうし、かといって実弾相手に立ち回れる自信もない。
それ以前に、黒ずくめの組織に目をつけられたくない。
くるくると高速で回る俺の頭をよそに、ジンがコツコツとゆっくり歩み寄ってくる。
「逃げられると思うなよ。この狭い路地に入ってきたのが運の尽きだな。あの世で後悔しろ。」
ジンが俺が隠れている壁を曲がった瞬間、俺はもうどうにでもなれととっさに身をかがめた。
こんなものは抵抗とも呼ばない。一瞬、ただ一瞬生きる時間を伸ばすだけだ。
ーーーだが。
その戸惑った一瞬が命取りだと、アンタなら分かるだろ?
ジン。
俺は生きようとする本能のままに無理矢理解決策を導き出す。
倒立の姿勢で銃を握るジンの手を素早く蹴り飛ばし、そのままの足でジンの顔面を靴の裏で勢い良く踏みつける。
案の定ジンは数メートルくらい後ろに吹っ飛ばされ、壁にぶつかって止まった。
「あ、兄貴!?」
ウォッカの驚いたような声に構わず、俺は体制を戻してジンの銃を拾い上げる。
チャカリとウォッカに銃口を向ければ、ウォッカも焦った表情のまま俺に銃を向けた。
「だ、誰だテメェ!?」
『いやこっちが聞きてぇよ。突然撃ってきやがって。誰だよテメェ。』
嘘ごめんなさい知ってます。あと言葉遣い悪くてごめんなさい。銃持つとカッコつけたくてこんな言葉遣いになっちゃうんです。
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あごしわ - 常に周囲を警戒(サバゲー狂特有) 一ミリも隙がない(サバゲー狂特有) 強烈な殺気(サバゲー狂特有) (2020年1月3日 5時) (レス) id: d41c4bfd58 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 白桜さん» 続編移行、初めての時はよく分からないですよね。とても面白いと感じる作品なので、これからも頑張って下さい (2019年7月8日 0時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
白桜(プロフ) - 続編登録いたしました、申し訳ありません。やり方がよく分からず……。拙い作品を読んでくださりありがとうございます。機械には若干相入れなさを感じます……。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 33d5312230 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 続編が登録されていないのか、2に移動できません。いつも楽しませてもらってます。更新頑張って下さい (2019年7月7日 23時) (レス) id: 6ea316f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
山姥拓海(プロフ) - 早く続きが見たいですね!更新頑張ってください (2019年7月6日 21時) (レス) id: e2c2af4155 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桜 | 作成日時:2019年5月21日 19時