ナンセンス〇〇 (ページ11)

今日:8 hit、昨日:7 hit、合計:4,756 hit

小話 (若干夜注意) ページ11

『おやァ、今日は甘えたですねェ。』

『寒いので、暖とりたくて。』

『アナタ図太くなりましたよね...』

そう言いつつもご主人は寝返りをうつと、先程まで背中に
ひっついていた私を腕の中にしまい込むように抱きしめた。

『相変わらず小さいですねぇ、質量保存の法則適用されてマス？』

『ご主人こそ、食べた物どこに入ってるんですか。』

こんなに細いのにと付け足すと、何か気に障ったのかスルリと
腰を撫で付けられる。

『ンー、まだ痩せ気味、、、ハハ、そんなにビクビクしなく
　たってヘンゼルみたいにとって食ったりしませんよ』

胃に収めるなんてことはね、と付け足して今度は太腿の方に
手を滑らす。

『あぁ、こっちは大分ふっくらしてきた』

昼間の手袋越しの感触とは違う、少しざらついた肌ざわり、
ぬくみ。

その後も体の彼方此方で触感を楽しむように動く指先に、最初は
くすぐったかったのが段々ほろほろとした快楽に変わっていって
、甘美な感覚に甘やかな声がこぼれる。

いつの間にやら覆いかぶさっていたご主人の顔を見上げると
満足げに口元は三日月を描いていた。

そろそろなのかな。

そう思って気構えた、が、先程までキャッキャと遊んでいた
オモチャを何かの糸が不意に切れたように放っぽり出してしまう
子供みたいに、ヒョイと体をどけて私の左脇に寝っ転がった。

違いと言ったら、無邪気な微笑みか意地悪な薄笑いかという
ところだけ。

『えぇ、、？』

シャツをはだけさせて身体をあらわにした情けない姿のまま
只々困惑した。

『、、、終わりですか』

愉快なのか滑稽なのか分からないがご主人はニヤニヤ
腹立つ笑顔を浮かべて言う。

『まァ、主人に対する不敬罪とでも思いなさい。
　あと、もうちょっとちゃんと食べた方がいいデスヨ。
　そんな弱々しい身体じゃあ''こんな細い,,ワタシでも
　どうとでもできますからねェ』

『罰って、ご自分も楽しんでたじゃないですか。ずるい。』

『ハイハイ、また明日構ってあげますから』

違う、欲求不満なんじゃない、そういう名目でイタズラに身体
を弄られたのが嫌なんだ。

ちょっと腹が立って、サッサと寝てしまおうとまだ熱がのこる
シーツに身を預けるとグッと抱き寄せられる。

　