第57話《JK》 ページ7
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＿＿＿＿＿＿絶句した。
ヌナが抱えているものが、あまりにも悲しくて。
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ヌナのせいではない。
周りの人が、「ヌナのせいじゃない」というのは
正論だと思う。
けれど、僕がもしヌナの立場だったら？
僕はきっと、ヌナと同じように自分を責めて憎む。
ヌナは、とても優しいから。
だから、自分を激しく憎んでいるんだ。
僕より歳は一つ上。
それでも、見下ろせるぐらいに小さな彼女。
その小さな体に、どれほどの苦しくて辛いことを
抱え込んで生きてきたのだろう。
僕が想像もつかないほど、壮絶なものだ。
そして、その白くて細い足。
その付け根に、今も残っているであろう傷跡。
ヌナが、自分で自分を傷つけた。
それほどまでに、追い込まれていたんだ。
悲しくて、悔しくなる。
自分がこれまで、どれほど馬鹿みたいな人生を送ってきたのか痛感した。
遊んでばっかりだった僕と。
たくさんの痛みを抱えながら生きてきたヌナ。
非力な僕は、何をすればいいのかが分からずに
ただ言葉を失うだけ。
「軽蔑してくれていいから」
そんな僕に、ヌナが投げかけた。
あまりにも、悲しい言葉。
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…ヌナ、それは絶対に違う。
僕は貴方を軽蔑なんて、絶対にしない。
むしろ、僕の方が軽蔑される人間だ。
ヌナは、必死に生きてきた。
そんなヌナを誰も、何も責めない。
きっと、天国にいるお父さんだってそう。
ヌナを責める、なんてこれっぽっちもないと思う。
ヌナは、愛されるべき人。
ヌナは、幸せになれるはずだから。
だから、自分を傷つけることはしないで。
そう伝えたくても、どう言葉を選んでいいのか。
一歩間違えれば、ヌナを傷つけてしまう。
ただの同情になってしまう。
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……分からない。
正解が、思いつかない。
けれど、今は。
目の前にいる、消えそうなヌナを。
ただ、抱き締めたかった。
僕が手を伸ばしてヌナを抱き締めれば、逃れようと
もがく。
でも、離しちゃ駄目だと思った。
今僕がこの手を離したら、ヌナが消えてしまう気がしたから。
僕の腕の中にいるヌナは、小さくて華奢で。
今にも壊れそうなぐらい痩せていた。
その感触に、僕は涙がこみ上げた。
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森下 衣舞(プロフ) - あいさん» あいさん泣 いつも有難うございます！私も感動系、切ない系が好きなので喜んでもらえて何よりです泣 更新お待たせしてしまって、本当に申し訳ないです…。引き続き頑張ります！お体に気をつけて下さいね！！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 45654b5508 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 第2弾ありがとうございます(T_T)涙が止まりません( ；∀；)感動物語凄く好きなんですよ。だから得しかなくて(T_T)続き楽しみにしております。お体に気を付けて更新頑張ってください！ (2020年5月10日 9時) (レス) id: 17b64cad63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森下 | 作成日時：2020年5月7日 0時
