第89話 ページ39
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＿＿＿あれから数日が経った。
ジョングク君からは、何の連絡もない。
不思議な感情に戸惑いながらも、私はお母さんと会うため電車に揺られていた。
…あの時、どう言えば正解だったのかな。
いくら考えても、答えは思い浮かばなかった。
初めて見たジョングク君の表情が、頭から離れない。
今、彼は苦しんでいないかな。
一人で泣いていないかな。
ジョングク君が言ってくれたように、私だって。
私だって、貴方を支えたいよ。
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駅に着けば、ミギョン叔母さんが私を迎えてくれる。
そしてお母さんの元へと向かう。
これがいつも土日のルーティーンだった。
MK「Aちゃん、仕事忙しくない？大丈夫？」
「最近は落ち着いてますよ。
周りの人にもとても恵まれて、良い職場ですから」
MK「良かったわ。
でも自分の身体を労ることも忘れないでね」
ミギョン叔母さんはそう言って、私の頭を撫でる。
その手は、とても暖かくて。
…昔、お母さんに頭を撫でられた感触に似ていた。
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部屋の扉の前は、いつだって緊張する。
扉を開けた先には、私を忘れたお母さんがいる。
その事実が、いつまで経っても怖くて。
私はいつも怯えていた。
ミギョン叔母さんが、私の背中を優しく叩く。
" 大丈夫よ " と言うように。
深呼吸をして、震える手で扉を開ける。
お母さんは、ベッドの上で窓の外を見つめていた。
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「……おか、
………っ、…ヘギョさん」
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もう「お母さん」って呼んでも伝わらない。
困らせるだけだから、名前で呼ぶ。
でも、慣れない。
だって、私のたった一人のお母さんなんだよ。
「お母さん」って。
本当はそう呼びたいよ。
でも今のお母さんにとって私は、ただの赤の他人。
MK「…ヘギョ、体調はどう？
随分涼しくなってきたから、風邪引かないでね」
ミギョン叔母さんが、優しくお母さんの頬を撫でる。
もう、ほぼ寝たきりだから声も発さない。
私もそっと、お母さんの頬に触れた。
指先に感じるぬくもりが。
お母さんはここにいるんだって、教えてくれる。
…お母さんが、私のこと覚えていたら。
色々相談したりだとか、話し合ったりとか。
出来ていたのかな。
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森下 衣舞(プロフ) - あいさん» あいさん泣 いつも有難うございます！私も感動系、切ない系が好きなので喜んでもらえて何よりです泣 更新お待たせしてしまって、本当に申し訳ないです…。引き続き頑張ります！お体に気をつけて下さいね！！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 45654b5508 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 第2弾ありがとうございます(T_T)涙が止まりません( ；∀；)感動物語凄く好きなんですよ。だから得しかなくて(T_T)続き楽しみにしております。お体に気を付けて更新頑張ってください！ (2020年5月10日 9時) (レス) id: 17b64cad63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森下 | 作成日時：2020年5月7日 0時
